Rancid - ...And Out Come the Wolves

・・・アンド・アウト・カム・ジ  パンクというジャンルも英国では反抗の証みたいなところから始まっているけど、最近ではもちろん流行らないのでそういったスタイルのバンドはほとんど出てこない。英国の場合はもっと形を変えて進化した状態で同じアティテュードを打ち出してシーンに登場するってのが常だ。しかしアメリカの場合はそのアジテーションに影響を受けて音楽的手法と表現手段としてパンクが存在し、そこには否定論などがあるのかよくわかんないけど、多分あるモノだろうとは思う。ただし、それを単純に叫ぶというレベルから逸脱していて、きっちりと聴ける音楽というレベルに再構築している。なるほど、そういうことか、と聴いてみると見事なまでに進化させたパンクの方法論が出来上がっているワケだ。ま、簡単に言えば、メロコアの世界でして、メロディーはキャッチーにビートもそこそこに、ファッションはそれらしく、インパクトもそれなりに、って感じで本人達がパンク好きなのはよくわかるけど、ちゃんと売れるもの、売れる可能性をもたらすものがシーンにでてくる。

 難しくアレコレ書いたが…、簡単に言えばラモーンズのインパクトとキャッチーさにクラッシュのシリアスさとスカさを持ち込んだバンド、それがランシドっつうバンドだ。見た目のインパクトはやっぱりあるよ。長いモヒカンに鋲付き革ジャンだからさ。でも出てくる音は凄くキャッチーでポップなパンク的サウンド。これぞアメリカ的解釈、ってなもんだ。

 アルバムでは三枚目となる「・・・アンド・アウト・カム・ジ・ウルブス」が一番良いってことで聞いてみたんだが…、ハマった(笑)。こんな風になっているのか?今時の音は、と驚いたのもあるし、これならイケるわ、と納得もした。素晴らしい程に聴きやすいし、覚えやすいし、それでいて適度なビートが心地良くて、コーラスなんかも凄くわかりやすいので大合唱だろうし、凄い。バンドも上手いしね。ランシドの場合は特にベーシストがなかなか技巧者で、良いラインを弾いているし、目立つ。しかしあの格好でこういう音が出てくるってのは驚いたわ。そういうモンなんだねぇ…。

 そう思うと今時…ってかちょっと前からパンクバンドだと言われて名前だけは聞いたことあるバンドも似たような傾向なんだろうか?と気になって、ここしばらくはそういうのを漁ってみようかな、と。ま、ただ、アメリカのバンドだからそんなにハマるかどうかは疑問だが(笑)。でも、これからの季節はこういう軽快でキャッチーなのがよろしいかもな。フー・ファイターズもこの一貫として聴くとおかしくないのか…。

 しかしランシド、良いぞ。この「・・・アンド・アウト・カム・ジ・ウルブス」でも「Olympia Wa」や「Ruby Soho」は素晴らしいし、「The 11th Hour」のメロディセンスも見事なもので、今の時代のパンクロックの名盤扱いされている理由も納得の一枚。ハードコア的なアルバム「ランシド V」があったりこういうのがあったりするらしいので、色々聴いてみようかな、とね♪

Rancid - Let the Dominoes Fall

Let the Dominoes Fall  今ではNOFXと双璧を成すメロコアの雄、且つ70年代オールド英国パンクの雰囲気をしっかりと受け継いだバンドとも云えるランシドも新作をリリース。何と6年ぶりの新作ってことで期待が高まる様子だが、ここまで評価されたのもアルバム「Rancid 2000」があったからではないかと。いや、「Rancid 2000」は思い切りハードコアパンクで一般的には決して受けないアルバムなんだけど、そういうのを見せたことで余計にランシドってのは本当にパンクが好きなんだ、でも自分達の音楽は今のメロコア系なんだ、っていうのがわかってきてさ。良いな、と。

 「Let the Dominoes Fall」というタイトルで、今作にして初めてメンバー全員がジャケットに写っているという、そしてこのジャケットを見ても分かるようにやっぱり古き良きパンクのスピリットが好きなんだろうなぁというのが出まくっていてさ、まぁ、まんまと戦略にハマるワケですよ。中味の音を聴いてみるとこれまでのランシドと同様に思い切りメロコアでして、ここまで良く作れるもんだと思うくらいに傑作かもしれない。些かメロディがワンパターン化してきたような傾向はあるけど、まぁ、それこそがバンドのメロディというところなのでよろしいんじゃないか。

 しかしアルバム全体が間髪入れずに流れてきて、そしてランシドの特徴っていうのかメロコアの特徴かもしれないけど、イントロって短くて歌がすぐ入ってくるから曲の切れ目を気にすることなく、そして継ぎ目なく聴けるんだよ。面白いよね。そんでもっていつものスカパンクもあるから飽きないようになってるし、「Disconnected」のキャッチーなメロディの後に「I Ain't Worried」というラップとスカトパンクを混ぜたような曲が投げかけられ、更に「Damnation」へと元々のランシドの持つスピーディなメロコアに戻るというような展開もよく出来ている。しかしベースラインの巧さは相変わらず渋いところでキメてくれる。「Civillian Ways」なんて聴いているとメロコアとか忘れてしまうくらいにアメリカな香りのする曲でして、こういうところが深みのあるバンドなのだ。見事。

 こういう単純なアルバムって何かしながらっていう時に聴くには丁度良いんじゃないだろうか?流行のジョギング中とか掃除中とか(笑)。軽快でスピーディでメロディがあって短い曲で複雑な展開はないし全く何も考えずに聴けるっていうものだし。多分凄くマッチするんじゃない?

Sum 41 - Does This Look Infected?

Does This Look Infected?  アメリカのパンクの歴史から発展して影響を受けたバンドが出てきたのが21世紀になってからあたり。ようやく世代的に若い連中がメロディックコア的な要素を受け入れて本当の意味で世代交代と新たなパンク的解釈がなされ始めた。まぁ、個人的にはその分軽さが増してしまってメジャーシーンで見られるパンクもどきバンドなんぞ聴くかね?なんて感じでしたが…、まぁ、流れで色々と手を出してます。

 Sum 41っつうバンド。今度は若いね。こういうフレッシュなのが出てこないといかんぜよ、やっぱり。それまでのオールドタイムな雰囲気を自分なりに発展させてパンクの血脈を維持したという鉱石は非常に大きなモノだけど、やはり新たな世代にしっかりと引き継がないと意味がない。ってなことでしっかりと受け継いだ?若い遺伝子SUM 41、カナダのトロント出身のバンド。

 アルバムは三枚目の「Does This Look Infected?」が名盤ってことらしいがもちろん現役バリバリのバンドなのでまだまだ期待できるのかもしれない。そういえばこのバンドのボーカルのデヴィッド君はあのアヴリル・ラヴィーンと結婚しているという驚異。まぁ、可愛らしいんだけどさ(笑)。

 んで、その「Does This Look Infected?」なんだが…、と言うかSum 41っつうバンドの真髄がこのアルバムだとしたらかなり面白い。メロディはしっかりしてるし叫びとかパンク的エッセンスもしっかり入ってるし、何よりも軽快で心地良いという独特の雰囲気は他のバンドとはちょっと違うね。ギターリフに主軸を置いているというか、スラッシュメタルに近い曲なんてのもあって、根深いところを掘り下げている感じもあって、その分生粋のパンクファンにはとことん好かれないかもしれない。ちょっと旋律が綺麗すぎるんじゃね?これをパンクバンドとして定義するのもちょっとどうか?ってのもあるが、表現方法は間違いなくパンクだな…。パンチがあってかなり良いよ。ボーカルの歌い方のテンションが高いからついつい聴いていまうんだよ。

 この辺のバンドになると音の表現方法としてパンク的音楽を使っているという感じがしてね、そもそものパンクというアイデンティティ自体にはあまり拘っていないと思う。やりやすい形で表現してメジャーで出して売れているという感じか。悪くない手段だし、しっかりとそういうファン層を掴めているからニーズもあるんだろう。確かに聴いているとホントわかりやすいもん。何回も聴くか?と言われると、わからんが(笑)。

NOFX - Punk in Drublic

Punk in Drublic  90年代パンクはニルヴァーナの死と共に爆発した、とは言い過ぎか。ニルヴァーナそのものがガレージサウンド=ほぼパンク的表現だったというべきか。まぁ、そのヘンまた近々ってことにするが…。パンクというジャンルに属するバンドはほぼ確実にレゲエなりスカなりっぽい曲をプレイしている。そう考えるとパンクというものにレゲエ・スカを取り込んだザ・クラッシュというバンドは実に凄い革命者だったってことがわかる。そこで融合がなければ今のスカパンクなんてのももっと遅かったかもしれないし、別の路線だったかもしれない。

 さて、90年代を代表するアメリカのパンクバンドのひとつにNOFXというのがあって、ハードコア的パンクの音色を残したままメロディアスでキャッチーな歌を乗せて叫ぶ、みたいな感じで他のパンクバンドと呼ばれる部類からしてみるともう少しだけホンモノ寄り…。USパンクの進化系だなというのはよくわかる。もちろん英国ハードコアの影響は大きいが。そんなNOFXでもスカを基本とした曲をプレイしているんだから先に書いたザ・クラッシュの偉業がよくわかるというものだ。

 そのNOFXが1994年にリリースした「Punk in Drublic」は90年代パンクロックの名盤と呼ばれる代物で、ガレージバンドのワケ美に影響を受けていたロックファンにもう一発衝撃を与える程度のインパクトを持っているハードコアな側面。それでもしっかり歌はメロディックだしコーラスワークもキャッチーで不思議なものだが、ウケだ。そして名盤と呼ばれる所以はやはり「Don't Call Me White」(白人と呼ぶな!)っつう曲に象徴される。逆差別主義を歌うというのも面白いが、それにも増してキャッチーでさびとリフレインが素晴らしい。

 …取っ付きやすいんだよな、この手のサウンドとメロディって。そんではっきりと意思表明もしているからわかりやすいし。ひとつだけ気になるのはファッションセンスかね(笑)。まぁ、古い感覚からしたらどうしたってちょっと特殊なスタイルであってほしいし、パンクファッションってのは定義としてあるだろうから、そうしたイメージであってほしんだけど、90年代以降のバンドではただカネがないっつうだけのファッションが多くて、そこにスタンスが見られないのがちょっとね。誤解かも知れないけど。まぁ、ピストルズだってあれでオシャレだし、クラッシュなんて凄くオシャレだしさ。ダムドだってジャケットはああだけど、中は凄くオシャレだしさ。

 …ってんことをツラツラと書いたが、「Punk in Drublic」は聴いていると心地良くなってくるし決して邪魔にはならない音で、面白い。確かに名盤で、勢いに乗っているのもしっかり伝わってくる。若い頃に聴いたらちょっと衝撃的だったんじゃないかと。

 それにしてもこのバンドももう既に20年選手…、40は超えてるってことだな。自分も含めただがロックに年齢は関係ないってことがよくわかる(笑)。

NOFX - Coaster

Coaster  しばらく新作レビューをサボっているとこうまでリリースされているのかと思うくらいにたくさんアルバムが出ていることに気付く。まだまだたっぷりと残された新作群…、適当に紹介していくつもりだけどやっぱり古い作品とかその周辺のジャンルとかにも手を出してしまうので、果たしてどこに進むのやら…。メロコア系についてはホントに最近目覚めたジャンルで、常日頃から聴くだろうってもんでもないんだけど、やっぱりスカッとするものなのでたまには気になるものなのだ。そしたら大御所NOFXも新作をリリース。

NOFX - Coaster Coaster

 NOFX「Coaster」2009年リリース。

 アメリカのアメリカをおちょくりながら世界をおちょくる、おバカなバンドでここまで来てしまったNOFX。既に25年目に突入だとか…、凄いよな、やっぱ。メロコアってのがポップだから続くワザかもしれん。まぁ、それはともかく、この新作の価格には驚いた。アメリカでは10ドル以下で発売されているし、日本でも1000円で売られている。アマゾンでも950円とかで、何でまた?って驚いたんだけど、それこそ元祖パンクの姿勢かも。カネのないファンにできるだけ安価でスピリッツを提供するんだ、というものはクラッシュが築いていたステータス。もっとも今の時代だからダウンロードに対抗してってのは大きいんだろうけど、それでもインパクトある値段だ。

 さて音の方はもちろんいつものNOFX節なのでポップでキャッチーで速くてハードなものからメロウなものまでぎっしりと詰め込まれたアルバムで、この時代に12曲30分くらいの収録ってのも珍しいけど、よくわかってる。だから凄く聴きやすいし、楽しめるんだよ。聴いたことのある人にとっては特別な変化もなく、いつもの、ってだけかもしれないけど、あまり聴いたことのない人にとっては割と面白い世界。テクニックとか高尚な、とかを求めてはいけないけど(笑)。まぁ、子供っぽい部分は多いんだけど、このメロディセンスの高さはやっぱり凄いし、ベースラインの面白さも実はツボ。何と云っても歌声が特徴的でメロコアを決定づけている声、かな。

 裏ジャケットでは過去の自身達のCDをコースターにしているのを見れるけど、今の時代所詮CDなんてこんなもんだろ、っていうおちょくりだろうね。まぁ、そこまでは云わないけどそれに近いくらいに価値は下がっているのも事実か。う〜ん、姿勢はパンクだなぁ、やっぱ。

Bad Religion - Against the Grain

Against the Grain  アメリカのパンクレーベルとして今ではかなり名高いエピタフレーベルだが、元々はバッド・レリジョンのメンバーが作ったレーベルで、本人達は移籍しながらもレーベルとしてはしっかりと残って運営されているという珍しいパターン。しかも在籍活動しているのがランシドやら何やらと売れているバンドもあるので、とっても珍しい。オフスプリングやNOFXなんかも出身レーベルとのことで、バッド・レリジョンって…?

Against the Grain

 あぁ…、そうだよな…、昔々に見たことあるレコードのジャケットのあのバンドと同じバンド?え?パンクなのにまだ残って生き残ってたんだ?と失礼な事を思ってしまったくらいに古いバンドなんだな、これ。デビューは1981年頃だって…、そうだよな、それくらいだろ。だからリアルパンクが出てきて、アメリカからハードコアやら何やらのパンクと呼ばれるノイズ的なのが出てきた頃に名前を見たことがあったもん。それが今では超大御所の位置を確立。そりゃそうだ、もう45過ぎてるんじゃないか?

 ってなことで、何故にそこまで生き延びて?なんて思ったのもあるけど、どうやら今のパンクやメロコア的なバンドとかに相当影響を与えたらしく、西海岸での影響力が大きいってあるけど、サーファーとパンクが結びつく時代ってのは想像しなかったが、どうやらそうらしい。アメリカンパンクの初期のってさ、歪んだギターがやたらと鳴りまくっていて、音がぺったんこで速くて叫ぶってなモンだったんだが…、傑作と呼ばれる「Against the Grain」を聴いてみました。

 やっぱり昔のまんまだ(笑)。ハードコアパンクで疾走感たっぷりで、どれもこれも同じようなスピードのリズムで…と、ここまでは普通なんだが、メロディやコーラスがえらくキャッチー。ここが初期のハードコアとは大きく異なっててさ、それこそがメロコアに影響を与えたっていう所なんだろう。意図的にそうなったのかわからんけど、聴きやすいっていう要素が入ってるから面白い。これだと西海岸のサーファーにもウケるってのもありか。そして元来のパンクの流れを知ってるファンでも多分大丈夫な範囲。だから残れたし、売れたし大御所の位置付けなんだろう。フムフム。

Zebrahead - MFZB

MFZB  「最近メロコア聴いてるんだ」ってな話を一回りくらい年下のヤツと話してたらリアルタイムの青春時代には結構聴いてた、ってことでアレコレ聞いているとなるほど、自分がここ最近で学習したバンドもやはり良いところを押さえてはいるらしいが、あれもこれもありまっせ〜、みたいな事が色々判明してきて、これ以上は続けられんかなぁ〜とちょっと弱気な気分(笑)。っつうかメロコアって思ったほどメロディ凝ってるのが多くなくて、そっち行っちゃうと単なるビートロックになっちゃって、そうなるとそんなに好きな感じではないんで困るんだよ。

 そこへミクスチャーも入った…と言うか、ミクスチャーってそもそもパンクの要素も入っているワケだから、当然なんだけど、メロコア的?なバンド…とは言わないらしいけど、まぁ、確かにラップ的な要素…、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの要素っつうのがわかりやすいんだが…、もっとおバカなことが出来てるバンドってのが正しいか…。ゼブラヘッドの「MFZB」っつう三枚目の作品。2003年リリースの今のところ最強のアルバム、ってことらしい。

 いやぁ〜初っ端が凄くかっちょよくって、全然おバカじゃなくってマジにストレートで良いじゃないか、と驚いていたら二曲目以降はやっぱりおバカ要素が多分に入ってきて更にラップ的…なるほど、こういうことか。メロコアじゃぁないわな…と思うものの、そもそもパンク好きなのでパンク的エッセンスが形を変えて出てきているだけと割り切るとなかなかイケるんだ、これ。リズムのハネっぷりが心地良いのかもしれない。ギターの音も心地良く歪んでいるのもあるか…。よく出来てる音作りってのがわかるのでちょっと気になるけど、売れてもおかしくないなぁ…。なるほど、ロックはこうやって進化したのか、と妙に納得。

 そんなゼブラヘッドの「MFZB」だが、確かに捨て曲なしで、聴いていると一本調子ではないので聴けるアルバム、即ちよろしい作品なんだと思う。もうちょっとみんなで騒げるのがあっても良い気がするけど、このままライブやっても相当大変だろうな、とは思うレベル。しかしパンクとラップとメロコア…、器用だな、このバンド。ここ一連のバンドとはちょっと異なるのは確かだけど、骨っぽくてよいっす。

The Offspring - Smash

スマッシュ  アメリカ出身のメロディックなパンクバンドがいくつか受けているってことで、初めて挑戦する世界に突入。オフスプリングとかグリーンデイってのは名前は知ってるけど、音聴いたことはほとんどないし、興味もなかったからねぇ。ところが、だ、こういう流れになってみるとランシドだってえらくキャッチーで面白い音だったので、もしかしたらその辺のバンドも面白いんかな?という素朴な疑問から手を付けてみました。

 まずはオフスプリングの出世作と呼ばれる「スマッシュ」。この後大ヒットを放つ「アメリカーナ」と共に聴いたんだけど、当然こっちの「スマッシュ」の方が三枚目の作品で、しかもインディーズで売りまくったという実績を持つアルバムなので、シャープでソリッドでバンドの本質を見事に出し切っている感じかね。ヒット曲がいくつかあるらしいけど、多分自分で聴いても結構かっこよいかな、ってのがシングルなんだろうと思う。

 アレコレ調べているウチにこの人達今すでに45歳くらいなんだ、ということに気付いた。デビュー時が90年代前半だから20代後半でデビューか…。んで、まだこういう音をやっていかなきゃいけないんだとしたら大変だろうな、と。まぁ、商売だからしょうがないんだろうけど…、そもそもパンクバンドなんて寿命を考えたりするもんじゃないし、実際15年も長寿でいられるなんてのはまずあり得なかったんだが、ここの所90年代に出てきたバンドはもうどれもこれもそういう年齢になってきている…。う〜ん、ロックは若者のもののハズなのだが(笑)。ノーダウトにしても40代だし、フー・ファイだって40歳前後だろうし、全く…。

 しかし自分からしてみると90年代のバンドなんてのは新しくて聴いてない、っていうのも事実で、そう考えると自分達の世代のバンドってのはあんまり聴いてないんだなということに気付く。似たような音楽背景だったとしたらこういうパンク的メロディック・ハードコアってのも納得するかな。ただ日本にはパンクやアンダーグラウンドシーンの有象無象さがインディーズの世界で広がっていて、そこでこういう音の試みは既に行われていた感じもあるが、売れなかったのだから早すぎたんだろう。

 そしてこのオフスプリングの「スマッシュ」だが、基本的にはつぶれたディストーションギターで軽快に流れてくるものだが、ヒット曲となった「ホワット・ハプンド・トゥ・ユー?」は単純なスカ調な曲で、どっちかっつうと異質な曲なんだが、売れてしまった以上しょうがないってトコか。これだけクローズアップされたらスペシャルズの再来と思われるよな。本質はハードコアの音に近いメロディをもったバンドで、かと言って早い曲があるわけでもない…。ちょっと軽過ぎるかなぁ…、自分にはね。一般的にはウケるのがよくわかる。

Green Day - Dookie

ドゥーキー  90年代のパンク世代には1994年と言うひとつの節目があって、この年にグリーンデイやオフスプリングなどが台頭してメロコアなるブームが巻き起こることとなった。う〜ん、日本ではもうちょっと先にブルーハーツやイカ天なんかでそういうのがあったからちょっと違うんだけど…、っつうか日本の方がシーンの先取りが早かったのかもしれん、珍しく。まぁ、日本もそういう点では独自の進化しているからビジュアル系も含めて侮れないところあるもんな、不思議なことだが…。

Green Day - Dookie ドゥーキー

 さてグリーンデイのメジャーデビュー盤にしてパンクアルバムとしての名盤と言われる「ドゥーキー」を耳にする。近年リリースされた「アメリカン・イディオット」が最高傑作と言われているが、もはやパンクバンドではないという辛辣な意見もあるので、ちょっと後回し。もうすぐ新作「21世紀のブレイクダウン」がリリースされるとのことでタイミング的には丁度良いのかな。そういえばパンクスプリング09なるフェスティバルイベントも最近東京と大阪で行われていてダムドなんかも含めて大挙来日公演してたみたい。ん〜、ちょっとタイミング遅かったかな(笑)。

 そしてこの「ドゥーキー」というアルバムだが…、正直言ってこれがパンクだと言われてもよくわからん。近年グリーンデイはパンクから逸脱してロックバンドになったとあるが、そもそも最初からそういう傾向にあったんだなってことがこの「ドゥーキー」を聴いていてもわかる。手法論はパンク的だけど、やっぱ違うもん。当時リアルで聴いていても多分それはわかったんじゃないだろうか。かと言ってこの「ドゥーキー」という作品が悪いのかと言われるとそんなことはなくって、しっかりと多彩な曲を聴かせてくれるのでそれはそれで面白いし名盤と呼ばれるのもわかる。ヒット曲「Green Day - Dookie - Basket CaseBasket Case」がやっぱり浮いてるかな。グリーンデイの代名詞でもある曲でよくバンドの方向性を表してるんだが、アルバム的にはちと浮いてる感じがするんだが、狙ったか?

 ルックスやファッション的にはしっかり押さえてて取っ付きやすいのは売りだし、音もそれほど激しいワケじゃないから聴きやすい。そのわかりやすさがウケた理由なんだろうと思うが、ホンモノのロックファンが付くのか?と言われるとちょっと難しいかもなぁ…と。

Green Day - 21st Century Breakdown

21世紀のブレイクダウン  今やアメリカを代表するバンドのひとつになってしまったグリーンデイ。元々がパンクだったというのも最早随分昔の話として語られるレベルではあると思うが、一般的にはパンクバンドのひとつなんだろうなと思う…、いいのかね(笑)?いやいや、そういうジャンル的なことはともかくとして、グリーンデイというバンドの音楽センスが世に認められたってことで、新たな世界を構築したことに変わりはなくって前作「アメリカン・イディオット」でモンスターバンド化してしまったってことだ。そこで期待されまくった今回の新作「21世紀のブレイクダウン」。バンド自身も不安というかプレッシャーはあっただろうけど、そこはさすがに百戦錬磨のキャリアを持つバンドなだけあって上手く対処ってとこか。まぁ、彼等もアラフォー世代だからそのヘン上手く、ね。

Green Day - 21世紀のブレイクダウン(Japan Version) 21世紀のブレイクダウン

Green Day - American Idiot (Holiday Edition Deluxe) アメリカン・イディオット

 世界中で話題沸騰、そして売れまくっている「21世紀のブレイクダウン」だが…、いやぁ〜、面白い。21世紀のバンドとして聴くならばここまでポップでキャッチーで爽やかなロックが一杯詰め込まれたアルバムならば売れないハズはないし、とんでもなく完璧に出来上がったアルバムなワケだが…、決してオリジネイターじゃないってのがこのアルバムのミソ(笑)。

 70年代ロックを好きな人なら最初っから笑える…というか「ん??」ってなって「もしかして…?」ってな感じで古き良きロックのオマージュが散りばめられている。もちろんメロディ自身はグリーンデイのオリジナルなんだろうけど、あまりにもあまりにも…、ってトコか。それは歌メロだけじゃなくてバックのアレンジやサウンドにも現れているんだけど、凄いのはそういうモチーフを基としながらもグリーンデイの音としてきっちりと纏め上げているところ。だから知ってる人が聴いても面白いし知らない人が聴いても、それ自体が良い作品だから好きになっちゃうっていう正にロックのツボを押さえているんだな。ある意味ラモーンズみたいなもんで、どれもこれも似たような…っていう形容詞は付くもののやっぱ凄いな、っていう世界。それを独自のコンセプトストーリーによる歌詞で繋いで纏めているというロック好きにはこれでもかというくらいに気になる要素を詰め込んでいるのも策士か。騙されて聴いてみると面白いぜよ、こいつは。

 モチーフはスウィートやスリー・ドッグ・ナイト、ビートルズ、クイーンやザ・フーなどなど…。彼等が子供の頃にラジオから流れていたロックが身に染み込んでいて自分達のサウンドと相まって自然に出てきているんだと思うし、見かけはともかく案外良い奴らなんだろうな、という気がする(笑)。ここまでロックを達観してプレイできるプレイヤーってのも少ないんじゃない?「21世紀のブレイクダウン」…面白いアルバムだわ。

Good Sharlotte - The Chronicles of Life and Death

クロニクル・オヴ・ライフ・アンド・デス  だんだん何がパンクロックなのか分からなくなってきてしまうくらいに多様化したアメリカのパンクシーンと呼ばれる世界。どことなくルックスは悪そうなイメージを出しつつもやってることは結構ポップでキャッチーなものが多くて、やはり売れたいというものなのか、自然にそうしたい音が売れているのか、センスが良くてできちゃってるのか…。そもそも昔のパンク的イデオロギーを期待する方がおかしいのかもしれない。

 グッド・シャーロットというバンドの名盤と呼ばれる「クロニクル・オヴ・ライフ・アンド・デス」を聴いていて思った。音だけ聴いていると別にパンクじゃないし、激しいロックですらない。普通にロックらしい曲が並んでいるもので、その中味は確かにハイレベルな楽曲だったりスタンスが明確に表れていたりして、しっかりしたものなので、そういう側面から入ればなるほど、素晴らしいアルバムだ、となるのかもしれない。まぁ、パンクなんてカテゴライズに拘る必要性はないんでそれでいいか。

 見た目は刺青だらけで、相当ヤバそうではあるがヒラリー・ダフやニコール・リッチーなどのセレブと付き合ってたり結婚したりしていて何故か上流階層に食い込んでいるという不思議。いいのか?まぁ、モトリー・クルーのトミー・リーなんかもそうだから存在としてはありなんだろうが、そういうのに逆らうのもパンクなんじゃないの??っていうのは古いんかね。別に気にしないで音は音として聴けば良いんだろうけど…、クラッシュで育った人間としてはちょっとイデオロギー違うよな、と。なんかね…、音だけで表現できるもんじゃなくってさ、生き方とかそういうのあると思うモン。ま、大して知らないからあまり大口叩けないけどさ。

 さて、アルバム「クロニクル・オヴ・ライフ・アンド・デス」の方は、これはもう聴きやすいしメロディが綺麗に作られていて、しかもバンドとしてはかなり上手いんじゃない?激しさやパンクらしさってのはエッセンス程度にしか感じられないけど、その分今時のロックアルバムとしてはよく出来ているし、キャッチーでウケるハズだ。ただ、一過性のモノに近いとは思うけど、これだけアチコチに旋風を巻き起こせば生き残るか。やはり音だけではない部分での要素が生き残りの秘訣…。そういう策略を考えないバンドが一番ロックらしいけどな。それも古いかな。やっぱロックンロールビジネス、なのか…。