Gastunk - Dead Song

DEAD SONG  自分の好きな日本のバンド群の中では多分五本の指に入るのは確実なんだが、それがまさかインディーズのバンドになるとは本人も思ってなかったんだが、ロックを聴き始めて20年以上の月日が流れた中、実に多種多様のロックを聴いた。それでもこのバンドのかっこよさは今でも褪せることなく結構なヘビロテで聴くことが多いのだ。そして今でも飽きないし、もっともっと聴きたいと欲求を募らせる、そして聴く度に生き返ったような刺激をもたらしてくれるのだ。

 「ガスタンク」=「GASTUNK」

 メジャーデビューしてからは「GASTANK」になってるんだけどもちろんインディーズの頃のが圧倒的に好き…というか、滅茶苦茶カッコイイのだ。記憶が正しければシングル三枚出した後に超名作「DEAD SONG」と言うファーストアルバムをリリースして、これも当時で一万枚くらい売れたようだが、ハードコアパンクそのものなのに「Heartful Melody」と呼ばれる旋律が奏でられていたり歌われていたりするので、凶暴さと美しさが同居している作品。まずはシングル三枚の方だが、今では「GASTUNK EARLY SINGLES」というCDで聴けるので以前に比べて入手が容易になったのは嬉しいね。どれもこれも良いが、三枚目のシングル「GERONIMO」が何と云っても最高にカッコイイ曲ということに疑いはない。正にタイトル通りインディアンの登場としか思えないアコギを掻き鳴らしたイントロからスネアロールのドラミングが加わり、更にあのバキのシャウトボイスによる雄叫びでノックアウト。こないだYouTubeで探したらこのシングル発表後のライブの模様がアップされていたのでつい見入ってしまった。これってさ、ギターソロもメロディアスで良いんだけどこの頃ギターのタツってまだ17,18歳くらいだったんじゃないかな。さすがにマイケル・シェンカー好きなだけあっていいセンスしてるんだよなぁ。

 で、超名作アルバム「DEAD SONG」だ。もうジャケットからしてインディーズの香りがプンプンしていて、裏ジャケ見るとなるほど、って思うのもあるんだが、やっぱりインディーズってだけあって音の作りがやっぱりちょっと物足りないが、これはしょうがない。もちろん中に詰まっているサウンドには何の影響も及ぼさないし、CD時代なんてのが想像できなかったワケだからまあ、よしとしよう。冒頭「黙示録」…いきなり超重苦しい地獄の底で鳴っているようなイントロに単調ながらもスリリングで何かが飛び出してきそうなリズムとハードなギターがメロディを刻む…そして地獄の底から唸るようなボイスが響き渡る、正にガスタンクの序章らしい楽曲で緊迫感が漂うね。そして地獄からのボイスだけがしばらく残り、何かを呼び出しているような被せ方に続いてノイズ混じりの混沌とした音の洪水の中から紡ぎ出されてくる歪みまくったギターリフから始まる「Night Sight Light」では早くもバキの独特の歌声によるシャウトともメロディアスとも云える歌が心地良く叫ばれ、タツのギターソロにしても見事な展開を持った一級のプレイで、もちろんベイビーのベースは一糸乱れぬヘヴィーさと正確さを持って迫ってくる、そして間髪入れずにハードコアパンクの真髄とも云えるようなパワーに満ちあふれた「War Bird」がまたしてもバキの強力なハートフルメロディーと共に聴く者に旋律を与えてくれる。更に続けて叩きのめされるのはもう暴れ出したくなるようなリズムとパワーを叩きつけてくる「胎児(SAD)」。若者だろうと年寄りだろうとこのヘンまで来るとホントに血が騒いでくることは間違いないね。ベイビーのベースがもの凄い音で掻き鳴らされているのがクローズアップされているのも特徴的で、暴力的なガスタンクというバンドの真骨頂を体現しているとも云える。

 アナログ時代ではB面に突入して先ほどまでの暴力的なハードコア路線から少々離れたベースのリズミカルなイントロに合わせて始まる軽めのリフから始まり、ちょっと息を抜けるかと思いきや、それは全く単なるイントロであり、A面どころではないくらいに究極のハードコアパンクとも云えるエネルギーで本当に聴く者をぶっ壊すパワーで迫り来る「Computer Crime」…楽曲として捉えてもリズムや雰囲気が変わりつつもこのハードコア路線で貫けるという意味ではかなりレベルの高い曲だが…、そんな冷静に語っていられるような場合ではないな(笑)。やっぱB面も恐ろしいわ。で、またしてもタツのギターとベイビーのベースが絡み合って紡ぎ出されるサウンドの中にバキの美しいメロディが溶け込む、素晴らしき「Lastest Dream」…。単調な面もあるが、ここはバキのメロディと表現力の豊かさでハードコアパンク調ながらも5分間という長い曲を持たせているが、最後の最後で新たなリフによる展開を見せてフェイドアウトしてしまうのだが、これだけで立派な曲ができると思うようなリフなのだが、惜しげもなく単なるエンディングで使ってしまうのは自信の現れだろう。で、お〜、またか〜、もうダメだ(笑)。

 最高にハードコアパンクな曲「Inter Lader」が始まってしまう。こんなのライブで聴いてたら多分ホントに暴動起きてもおかしくないもん。それでもタツのギターやバキの歌にはしっかりメロディがあるので単なる単調なパンクに終わらないで音楽としてきちんと聴けるんだよな。でもやっぱ2分半が限界。さあ、ここまで来たらもう最高の二曲しか残っていないが、まずは「The Eyes」。ガスタンク史上でもかなりの名作に入るバリバリのハードコアサウンドと美しきサビのメロディが重なり合った傑作で、ギターの旋律も当然良いのだが何と云ってもハーモニックスのタイミングがもの凄く心地良いし、ギターソロも見事なまでの凶暴さと色気を持っていて、特に後半でのメロディアスなリフレインについては、日本で最高のものと言っても過言ではないくらいに美しいフレーズを奏でているのだ。傑作中の傑作。そして…、そしてガスタンクの、いやロック史永遠の名曲「Dead Song」。ここまで来てようやく単なるハードコアパンクではない証とばかりに美しくも激しい楽曲を見せてくれるのだ。美しいアルペジオギターにこれまた素晴らしいメロディを刻むベースラインが絡み、そこへハードなギターが登場してこれ以上はないくらいに素晴らしいハートフルメロディが歌詞そのままに歌われ、これしかないっていうギターソロが続く…、そして美しきアルペジオと風の音に包まれる中間部の後エンディングに向かいこの素晴らしいアルバムは終わりを迎えることとなるのだ。

 …やっぱ疲れるけどカッコイイよなぁ、聴く度に刺激を受けて、目つきが悪くなるかもしれん(笑)。彼等もルックスではキワモノ的なものあったけどそれ以上に音楽もしっかりしていたんだよね。もっともっと受け入れられても良いバンドだと思うんだが、そうじゃないところに留まっていたのも好きかな。う〜ん、以降はまた今度書こうっと♪

Gastunk - Under The Sun

UNDER THE SUN(24bit/folded paper-sleeve)  思えば面白い時代に青春時代を過ごしたのかもしれないとも思う。洋楽ロック系で言えばあと10年くらい前に生まれたかったとは思うんだが、こと日本のロックに関しては丁度良い時代だったんじゃないかな。黎明期は知らないけど成長期〜活躍期あたりを目の当たりにしてきてるから何となくシーンの流れもわかり、しかも良いバンドがドンドンと出て来てたからさ。ジャンルの融合なんかも普通にあって必ずそういうのが騒がれる。そこで超個性が発揮されるとメジャーに進む、みたいな構図があって、だいたいメジャーに行くとつまらなくなって飽きるし、バンド側も何枚かアルバム出すと解散ってのがお決まりで(笑)。あれ、何でだろうなとか思ってたけど、まぁ、今ならわからんでもない。それでもその時代を生きた人間にとっては実に有用な時間だったのだ。

 ガスタンクのメジャー一枚目のアルバム「Under The Sun」は1987年にリリースされたんだけど、リリース前からどんなんなるのかな〜、メジャーだしちょっとは大人しい音になるんだろうか?なんて懸念をしていたんだけど聴いてみてびっくり。あのアグレッシブで超攻撃的なハードコアにも通じるパンクな音の塊はどこへ??これじゃメタルじゃないか…でも、なんかパンクだしBaki独特の世界観だし、ベースとかドラムとかとんでもないことず〜っとやってるし、そもそも最初の「Baruth」のイントロからして変拍子だし(笑)、何か物凄い進化なのか?とか不思議に思って聴いてたけど、段々とそのメロディがいつものガスタンク風なハートフルメロディってこともわかってくるから気持ち良くなってくるし、相変わらずやっぱり攻撃的な音で速いのは速いし狂いだくなるような「Leather Ship」とかさやっぱスゲェんだよ。どの曲もメロディが独特…、あの歌声と歌唱で泣けるメロディを歌っているんだからそりゃ超個性だろう。ファーストの「Dead Song」も3桁くらいは聴いてるけどセカンドの「Under The Sun」も近いくらい聴いてるな…。

 そうそう「Under The Sun(U.S.MIX)」ってのがその後にアメリカやヨーロッパでも人気だからリリースされたみたいなんだが、ある時その存在に気付いて聴いたんだけど、Bakiが全部英語で歌ってるんだが、どうにもやっぱり英語歌詞が当てはめにくいのかちょっと物足りない感じ。やっぱ日本語が良いです、このバンドは。更にミックスがあまりにも極端でさ、聞き辛い感じだったのは多分日本盤「Under The Sun」に慣れていたからだろうか。それはそれで面白いとは思うけど好みはやっぱこっち♪  しかし名曲揃いで捨て曲一切なしの名盤、この頃一番充実していた時期だからだろうけど、インディーズ時代から進化して面白い地点に到達、そして新たなるガスタンク神話を進めたってところが才能豊かなバンドだったハズなんだが、短命に終わったのは残念だ。再結成ライブとかもガスタンクだけは行ってるしな〜、昔は怖くて入れなかったけど(笑)。ジャケットアートが横尾忠則氏ってのもちょいと驚いて、何かハードコアパンクメタルなバンドのイメージとか一切関係無しにアートとして持ってきたという所が面白くてね、しっかりとやりたいことやってるな、なんて思った。確か同じくらいの時期にGuns'n Rosesのファースト「Appetite for Destruction」が出てて、ジワジワと世間を騒がせていたんだけど圧倒的にこっちの「Under The Sun」の方が面白かったもん。今でもそう思う、多分世間的には少数派だし、そりゃしょうがないけど、そんなバンドとレベル差なかったし個性派ガスタンクのほうが圧倒的だったしね。  今でもガスタンク聴くと相当気合入る…気合入れるために聴いてるワケじゃないけど美しくも激しい世界と流るメロディと相反する引き締まったリズム隊、唯一無二のアンダーグラウンドカルトバンド。

Gastunk - Rest in Peace (Live At Akasaka Blitz)

REST in PEACE ̄LIVE AT AKASAKA BLITZ ̄  DVDでリリースされているのはこちらのその前の1999年の再結成時のライブの模様で「REST in PEACE ̄LIVE AT AKASAKA BLITZ ̄」だ。CD盤「REST in PEACE?LIVE AT AKASAKA BLITZ?」もあり。いや、これまた風貌が全盛期とはガラリと変わったガスタンクを見ることのできる貴重なライブ映像。最近は発掘モンってことでいくつかDVDがリリースされているんだけどビデオテープ落としのもののGASTUNK GIG DVD 1987だったりしてやっぱりレコーディングされたモノの方が良いね。とにかく楽曲とメロディの良さは天下一品で、それをあれだけのハードコアなサウンドに乗せてやるんだから面白いし、迫力満点。今でも信者は多いんじゃないだろうか。

 そしてテクニックは凄く持っていて巧いんだよな。ギターのタツさんはライブになると走るというか粗雑なプレイをすることが多いけどテクは凄いので静かに弾けば凄いんだよ。レコーディング聴くとわかるけどさ。そんで、バキちゃんはこれはもうカルトヒーローで、とにかく存在感抜群なのは昔と変わらずで、丸坊主に白塗りっつうのももの凄いインパクトあるし、やっぱり歌声が独特でカリスマ。ベースのベイビーさんとドラムのパズさんは正確無比なリズム隊でステージがどんな状態になろうとも完全にプロの領域を奏でている人達で、それでいて存在感と重さが抜群。しかし、速い曲のこのかっこよさったらありゃしない。

 ライブは恒例の「黙示録」の重いイントロから始まりアルバム「DEAD SONG」の楽曲が続く、それだけでもう失神ものだし、セカンドアルバム「UNDER THE SUN」からの曲もスピード感溢れる楽曲が選ばれているのでとにかく貫禄たっぷりにステージが進む。途中ギターの原画切れたのかタツさんがギターソロの途中まで帰ってこないでライブが続けられるんだけど、結構お気に入りのソロの最中なので残念。まぁ、でもあっさりと普通に戻ってきて弾きまくるんだからやっぱり慣れたもんだ。

 まだビデオ時代のリリースだったためか60分程度に編集されているのが残念だけど、それでも結構お腹一杯って感じなので、ちょうど良い時間なのかな。最初から最後まで緊張感持って見れて、しかも知った曲ばかりなのでハードに激しく楽しめる快活なDVD。こんなのがライブハウスクラスでガンガンやってたらそりゃまぁ観客も壊れてくるわな、と納得するテンションの高いライブを常にやっていたのかと思うと見れなかったのが残念。世界中のバンドを見ていてもガスタンクのこのサウンドは唯一無二の世界だと思うので、別にお薦めはしないけどえらくかっちょよい。しかし「Geronimo」とかがないのはDVDとしては少々寂しいなぁ。CDには入っているのにね。

Gastunk -Deadman's Face

DEADMAN'S FACE   Gastunkが2010年6月にリリースしたシングル「DEADMAN'S FACE」で、メンバーはセカンドアルバム「UNDER THE SUN」の頃の面々によるもの。最初はさぁ、あのハードコアパンクで一世を風靡したバンドの再結成自体がどうよ?ってな感じだったし、でも見たら滅茶苦茶カッコよくて、再結成がどうとか関係なくてバンドのパッションはそのままなんだなっつうことで気にしてて、今でも気にしてるけど(笑)。ただ、それはライブでの話で、新曲となったらどうんあんだろ?ってまた不安があったワケですよ。それがね、またまた良い意味で裏切られてしまって、こんな風にGastunkっていう名前に相応しい音を出してくるとは…ってさ。それくらい今では昔の曲と同じくらいに馴染みのある音として聴いています。

 一曲目のタイトル曲「DEADMAN'S FACE」では往年のBakiのシャウト…これがさ、時代を超越して変わらない歌い方と声でさ…やや日本語がはっきりしてしまったってのはあるけど(笑)、何とも言えないダミな声とハイトーンと…、これだよコレ、Gastunkってばさ。んで、どっからどう斬ってもGastunkっつうサウンドでハードロックでもパンクでもないハードコアなハートフルメロディサウンド。いいよいいよ、これ。二曲目の「Cold Blood」もこれまたGastunkらしいハートフルメロディと展開と盛り上がりを魅せるバラードじゃないんだけどメロディアスな聴かせる系な音。Gatunkって結構そういう曲多いからこれもまたしっかりと馴染んでしまったサウンドです。いや〜、Tatsuのギターもしっかり個性を主張しててやっぱ面白いバンドだ。見事。そして3曲目…、これがGastunkとしては有り得ない音。何せレゲエリズムでBakiが日本語のリズムを歯切れよく歌ってるみたいな感じだしね。ベースのBabyが今ではレゲエバンドをやっているってことから、そしてメンバー皆がレゲエ自体をそれほど嫌いじゃないだろうし、パンクとの精神が似ていることもあってすんなり出来たんだろうなとは思う。まぁ、Tatsuがやや逆らっていたんじゃなかろうかと推測できるんだが、まぁ、しょうがないってとこで…、多分ね。しかし、これがGastunkってのがありだとするとさ、今後ももの凄い幅を見せるバンドになるんだよな。

 もうね、自分くらいになってくるとGatunkはこうじゃなきゃ、っていう概念もあるけど、それと同時にどんなバンドに進んでいくんだろ?っていうのもひとつの興味なんです。だからレゲエフォームでもいいかと。ただ、あの熱い燃えるようなライブの質とは異なるんだからそれは捨ててほしくないなぁ。やっぱりハートフルメロディで攻撃的なスタイルであってほしいもん。ま、だからシングルの、昔で云うB面にこういう実験曲が入ってるんだろうけどね。それも含めて「DEADMAN'S FACE」をもの凄く聴いて聴いて聴いて、Gastunkの新作を楽しんでました。もちろん往年のアルバムも聴き直してね。もうじき今やってるライブのDVD「ARISE AGAIN TOUR_2010 [DVD]」もリリースされるみたいなのでこれもまた楽しみ♪

Laughin' Nose - Broken Generation

 1980年代初頭から半ばにかけて日本でインディーズブームが巻き起こったが、多くがパンクというジャンルにカテゴライズされるバンドだったが、その中からパンクをポップなメロディに乗せてわかりやすく打ち出した、今でも活動しているのがラフィン・ノーズ。残念ながらメジャーシーンに躍り出た時の作品は今では入手不可能らしいが、ベスト盤として中味そのものは聴くことができるみたい。

 初期のインディーズバンドなんてのは大体がオムニバスへの楽曲提供って形が多くて、伝説の「ハードコア不法集会」っつうアルバムがあったりするんだけど、ラフィン・ノーズもいくつかのオムニバスにいくつか提供参加した後、インディーズでの大ヒットアルバムとも云える「Pussy For Sale」という粗野なアルバムをリリース。インディーズではかなりのセールスを記録したことで、10年後くらいにメジャーでCD化されたことがあったような気がする。その後もソノシートばらまきで話題を作ったり、宝島のオムニバスカセットに参加したり結構なブームを作り出していた。

 で、一般的なメジャーデビュー作となったのが「Broken Generation」なんだけど、もちろんインディーズ時代のモロにハードコアなパンクのサウンドではなく明らかにメジャー路線を意識した売るために世に出てきましたという姿勢を全面に出したサウンドで、インディーズ時代から知っているファンはこのアルバムによって彼等を裏切り者呼ばわりする人もいたし、実際インディーズのサウンドを知っているとそう言いたくなる。魂売ったな、って。が、もう少し彼等は知恵が働いていたようで、アルバムセールスとライブとは切り離して新たなパンクシーンの象徴になろうとした節があり、ライブは相変わらずのパンクノリのままでレコードを聴いて飛びついたファンがそこに感化されるという構図となり、結果パンクが一般へと浸透していった事実が残された。

 曲云々では「1999」と題された曲は元々は「戦争反対」という過激なアジテーションを持った歌詞だったのをメジャー向けに歌詞変更したもので、ライブでは「戦争反対」のまま叫んでいた。「Paradise」では印象的なギターのイントロと所詮スリーコードという組み合わせが爆発的なノリを出していて、後年にも引き継がれる傑作になっているし、当時のハードコアパンク魂を見せつけた「Get The Glory」はいわばアンセム的な曲になっている。パンク好きが何人か集まって最後にセッションする曲はコレ、みたいなもんだ。その後すぐにリリースされたミニアルバム「SOS」も結構よく聴いたな。「聖者が街にやってくる」…、そうあの曲のパンク版なんだけどこれがまたかっこよくてね、良かったんだよ。何かのイベントでライブを見たんだけど異様なノリで完全にひとつのブームを作っていた。チャーミーのファッションセンスも結構かっこよかったってのも受け入れやすかったんだろうな。

 しかしどのバンドもメジャーに躍り出るとそこから先に良いことはあまりなく、いつしか大きな路線からは外れていくことになり、聴かなくなってしまったんだけどね。今でも、と言うか今になっても再度インディーズとメジャーの中間で活動をしていて、そのパワーを発揮しているみたい。嬉しいよね、そういうの聞くとさ。自分もまだまだ頑張ろう、なんて気になるもんな。

The Willard - Good Evening Wonderful Fiend

GOOD EVENING WONDERFUL FIEND(紙ジャケット仕様)(DVD付)  インディーズパンクバンドと呼ばれる類の中には色々な連中がいるものだなと実感することはよくあったのだが、どちらかと言うとナゴム系のイロモノ的なバンドにはあまり興味がなくただひたすらストイックに自身の音楽やスタイルを追求しているバンドを好んで聴いていたのだが、そういった面から見ても結構不思議だったのがウィラードと云うバンド。今でこそダムドのキャプテンのモノマネって知ってるけど、インディーズを聴き漁っていた当時1985年頃に見たインパクトは結構なものだった。松本零二の漫画くらいでしかお目に掛からなかった海賊が被る帽子で、しかもドクロのピンがついていてさ、でもってメイクもしていて結構お似合いで、ふ〜ん…ってのが最初の印象。

 興味はあったもののインディーズバンドなので音を聴きたいって思ってもレコードを入手するしかなくって、結構悩んだんだけどたまたま店で流れていたの聞きかじってしまったのが最初に音を聴いた時。う〜ん、かっこいいっつうか余裕シャクシャクのインディーズバンドっつうか、歌メロがいわゆるパンク的なものとは一線を画していて、メロディアスでリズムに左右されないというか、歌にリズムがないんだよね。バックは結構しっかりしていて、バンドらしい音なんだけど、そのビジュアル面でのインパクトと音とが凄くギャップがあるような感じだったな。ファーストアルバム「GOOD EVENING WONDERFUL FIEND」をインディーズで二万枚売ったって云うんだから結構なセールスだよね。コアなファンとかいたんだろうな。そういえば最近ボーナストラック付きDVD付きでリマスタリングされて再発されたみたいなんだけどアマゾンにはないみたいなので、オフィシャルサイトからでも買えるらしい。映像は見てみたいな。

 セカンドアルバムからメジャーに躍り出てきて、ちょっとしたヒットとなった「Suburban Cowboy」も結構メロディアスなロックで一番人気が出てきた頃じゃないかな。取り立てて音楽的にどうってのはあんまり感じなかったけど、何か印象に残ってるバンドで、こういうのもパンク、なのかなぁと今でも不思議だが、まあ深くは考えまい。宝島全盛期だしな(笑)。

The Stalin - Last Live

 既に道を踏み外しているような気がする…。だって、「スターリン」だよ、今日のテーマ。いや、我ながら妙な趣味の感覚だと思うんだが。たまたま古い古いビデオを見せてもらう機会があって、中に「独占女の60分」なんて番組で放送したことのある「スターリン」の映像があったのだ。伝説的で見ることのなかった日本の元祖パンクだし、うわさ話だけはいっぱい聞いていて、豚の臓物を投げるバンドで、ライブは常に乱闘で女は犯されるなど嘘か誠かの話ばかり。で、初めて見たワケだ。

「すげぇ。」

 本当にパンク以外の何者でもない。日本もこんなに閉塞感漂ってた時代だったのだろうか?楽曲的にはこの頃の他のロックバンドとそれほど大差はないんだけど、アティテュードっつうか姿勢とか表現方法が違うのかな。この頃遠藤ミチロウ氏は既に30歳を過ぎていたので、意識的にパンクを演じていた部分はあるんだろうが、その分本気度が伝わってくる。もう一度言う。

「すげぇ。」

 客を殴ってるし、確かに汚物を投げてるし、まみれてるし、女の子を犯しそうになってるし、噂通りとんでもないバンドだった。熱くて凄いロックだよね、これ。正規盤ではなかなか見れないので残念だけど、とりあえず今日はコレ

ザ・ブルー・ハーツ - ザ・ブルー・ハーツ

THE BLUE HEARTS  煌びやかな80年代にはロックバンドも彩られ、ソニーグループが圧勝という形で売れるバンドをどんどんとシーンに投入していった…。レベッカ、爆風スランプ、聖飢魔II、渡辺美里、バービーボーイズ、米米クラブ、プリンセスプリンセスなんかもソニーグループだからその勢いの凄さはわかるだろう…って古いか(笑)。いやいや…。ま、それはともかくその派手なロックバンドの大量出荷に逆らうかのように超マイナーなところからライブの叩き上げでシーンに飛び出してきて、ホンモノのロック魂を見せつけてくれたこれほど「愛」という言葉が似合うバンドもないんだろうな、と今にしてみて思う。

THE BLUE HEARTS - 人にやさしく - Single 人にやさしく

 ブルーハーツ「THE BLUE HEARTS」。1stアルバムにしてこれを超えるアルバムは彼等は作れていない、と思う。もっとも全然聴いていないから全く知らないんで勝手なこと云えないけど、このファーストアルバムは凄いインパクトだし、魂の塊にしか聞こえない。そんな悲痛な叫び声が心の中から聞こえてくる。正直にかっこわるい日本語でここまで赤裸々にビートに乗せて歌うバンドはそうそうなかった。それまでのパンクなりロックなりではやっぱり言葉ですらかっこつけたりしていたから、格好悪い言葉をそのまま使って人に訴えかけたバンドは多分ブルーハーツから認められてきたんではないかと。それまでにもあったけど、なかなかかっこよさにまでは持っていけなかったっていうか…。まぁ、個人的な印象なので別に正しいものじゃないしれんが(笑)。

 昔々…まだブルーハーツがデビューする前、シングル「人にやさしく/ハンマー」をリリースしたばかりの頃のライブハウスツアーの頃にライブを見たことがあって、その時初めてブルーハーツを知ったんだけど、凄かったんだ、これが。パンクとかロックとか言うのよりも体後とぶつかってくるエネルギーのパワーに惹かれたもん。そんでアレコレ聞いてみると(当時はインターネットなんぞないからな…)、まだインディーズでやってるだけのバンドで…、なんてことで、しばらくしたら雑誌にこのファーストアルバムのジャケット共にメジャーデビューの宣伝が載ってて、あぁ、やっぱりメジャーに出てきたんだ…と。

 その時に入手して聞いてたんだけど、ライブで一番気に入っていた曲がこのアルバムには入っていなくて、ちょっと肩透かし。このままリリースされずに終わるのかな…なんてのもあったけど、セカンドアルバム「YOUNG AND PRETTY」に無事収録されました。「THE BLUE HEARTS - THE BLUE HEARTS: SUPER BEST - チェインギャング チェイン・ギャング」ね。デビュー前からマーシーが歌ってて、凄いインパクトだったんだな、これ。もちろんヒロトのインパクトも気が狂ってるんじゃないかってくらいに凄かったけど、ギタリストの歌があそこまでテンション高くて魂伝える歌とはなかなかない話だもん。だからあの二人はずっと一緒にバンドやってるんだろう。あんまりよくしらないんだけど、なんか分かる、っていうのかな。英国人にとってのザ・クラッシュってきっとこうだったんだろう、って思えるバンド。深追いはしないけど、見守っているバンド(笑)。

アナーキー - アナーキー

アナーキー(紙ジャケット仕様)  日本にパンクムーヴメントが起きたのはロンドンに遅れること数年はかかったんじゃないだろうか?もちろん情報に敏感な人間達はもっと速かったかもしれないが、多分それくらいはかかったと思う。ロンドンでパンクが終わる頃に日本でパンクが知名度を高めてきたって感じ。だから日本にはピストルズ好きよりもクラッシュ好きな奴の方が多い。だって、パンクに目覚めた時にまだリアルパンクで生きてて、しかも数年後には来日公演したくらいだし。だから日本のライブハウスで叫んでいたバンドの多くはピストルズの影響よりもクラッシュの影響を受けていることの方が多い。多分。

 今ではギタリスト的になんとなく知られている藤沼伸一さんは元々アナーキーというバンドで出てきた人だ。ちなみにこのバンド、思い切りパンクなバンドで最初から放送禁止な歌詞があったりする。ただ、カリスマ的なメンバーがいないので誰が、というよりもアナーキーというバンドという単位で見られるので、まぁ、ある意味では正しいんだけど、バラけると難しいね。もうひとりのギタリストのマリさんはパーソンズのボーカルのジルさんと結婚していた事もある人…、って痴話喧嘩で刺して傷害罪逮捕っていう前歴もあるらしいけど…、なんか凄い。

 それはともかく、アナーキーというバンドも勢いで出てきたは良いが、時代はすぐに煌びやかな80年代となる1980年にデビューしている。おかげでどこか取り残された感じで常にアウトローな位置付けでもあったが、結構人気あったバンド。最初のアルバム「アナーキー」ではチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」やクラッシュの「ロンドンは燃えている」のカバー「東京イズバーニング(検閲不可曲)」があったりする…。あ、「ホワイト・ライオット」もあるか。まぁ、以降はスカやレゲエにも接近するので見事にクラッシュの真似ではあるが、音楽スタイルはともかく歌詞による直接的な反抗・抵抗はあまりにも強烈で、不安を溜め込んでいる時代の若者には大ブレイクした。自分はそこまでハマらなかったけど、インパクトはあったかなぁ。ただ、あまりにも恐さが出てしまったバンドで取っつけなかった面もある。

 だから聴くのは凄く久々で、こんなんだっけ?と思うけど、やっぱ強烈なインパクトは変わらない。なんか左翼みたいに見えるのでヤバイんじゃね?みたいなのもあるけど。コレ、鉄道員の制服をトレードマークにしてたんだね。だからちょっと恐いのかな。ん〜、この手の日本のバンドは好きなんだけど、アナーキーは苦手だなぁ…。今から一生懸命聴くってのでもないので、多分そのままだろうけど、どっちかっつうと寄り付けないってトコです。