New York Dolls - New York Dolls

ニューヨーク・ドールズ  ロックンロールの定義:毒がある、かっこいい、ヒネてる、ストレート、ノリがいい、近寄りがたい、などなど…。すなわちニューヨーク・ドールズそのもの。

 随分と色々なロックンロールバンドを聴いたけどニューヨーク・ドールズほどロックンロールという定義が見事に当てはまるバンドはいない。くどくど語る必要はないんだろうけど、ロックンロールはブルースから派生したものだし、そこから発展したロックは多ジャンルの何かと融合したもの…例えばプログレはクラッシックやジャズを持ち込んだものだし、ポリスクラッシュのようにレゲエやスカを持ち込みこともある。またはモータウンやソウルを持ち込むものもある。いわゆるロックの世界。しかし純粋なロックンロールはコレだ、っていうバンドはほとんど存在していないと思うんだよね。プレスリーだってカントリーだしね。

 ところがニューヨーク・ドールズのサウンドは完璧に純粋なロックンロールなのだ。ラモーンズ当たりも近いところにいるんだろうけどちょっと趣が違うので、やっぱドールズ。こないだ再結成して来日公演もやったみたいなんだけど、ヨハンセンの意気込みだけでできたようなものだし…、余談だけど確かザ・スミスのモリッシーが再結成を実現させたらしい←ニューヨーク・ドールズのファンクラブ会長だったとか?よーわからんヤツ(笑)。

 この余興は随分と一部で盛り上がったみたいなんだけど、やっぱり当然ながら1973年リリースの早すぎたパンクアルバムと言われたファースト「New York Dolls」が良い。純粋なロックンロールのオンパレード。何の香りもしない、純粋なロックンロール。ギターを始めるならここから始めればロックンロールって何かがよくわかる。ボーカルを始めるならここから始めるとロックンロールの歌ってのがわかる。まぁ、上手い下手ってのはそこからの努力だが、スピリットとしては絶対だね。どの曲を切り取ってもとにかくロックンロール。ギターはもちろんレスポールJrを掻き鳴らすジョニー・サンダーズのフレーズが特徴的でとにかくエッジが立った耳を引きつける音でしかも軽快だから疾走感が凄い。ヨハンセンの歌はミック・ジャガーと比較されることが多いんだけど、ま、そういう歌い方かな。アメリカ人だからもっと堂々としてるって感じだね。それでいて二人のギターの絡み方というかアレンジがきちんとしていてあんまり語られないけどツインギターの魅力もしっかりと持っているんだな。

 ケバいメイクと底の厚いブーツ、純粋なロックンロールサウンド、ジョニー・サンダースの逆毛の立った髪型、どれもこれも衝撃的でかっこいいという形容詞以外に浮かばないバンド。セカンドアルバム「Too Much Too Soon」のジャケットではライブの1シーンが切り取られていて、滅茶苦茶かっこいいんだけどね、どんなライブを繰り広げていたんだろう、凄く気になるね。ライブ盤なんかじゃダメなんだよね、映像がないとさ。でもナマで見たら一発で昇天だろうなぁ。

New York Dolls - Too Much To Soon

悪徳のジャングル+4(紙ジャケット仕様)  世に放つインパクトってのがロックの醍醐味でもあり一般人とは異なる世界観を体現していたり、だからこそヘンな所に拘る…一芸に秀でていたというような図式がまかり通っていた華やかな時代。それこそがロックのロックたる世界で、輝かしいのだと思うのだが最近のバンドは全く…、いや、それは良しとして(笑)。まずはこのバンドのこのジャケットですよ。見てくれれば一目瞭然、これこそロック。

New York Dolls - Too Much Too Soon Too Much Too Soon

New York Dolls - Rock 'n Roll Rock'n Roll

 ニューヨーク・ドールズの1974年リリースのセカンドアルバムにしてジョニー・サンダース参加の最終作品「悪徳のジャングル」。まぁ、ニューヨーク・ドールズの場合は初期二枚だけがオリジナルアルバムとして認識されているのだが、とにかくこのジャケットだ。ファースト「ニューヨーク・ドールズ」のグラマラスでヤバそうなジャケットも衝撃的だったが、セカンドの「悪徳のジャングル」はコレだ。一体どんなライブステージだったのだろう?とかヤバすぎないか、このルックスは…とか、イロイロと思うのですよ、こんだけ華があってトゲがあると。特にジョニー・サンダース(右端)のかっこよさと言ったら堪らないものがある。どんな髪形?んでこれってどんなギターなんだ?とかね、思った。レスポールスペシャルなんつうのがあるってのはここで知ったもん。そしてデヴィッド・ヨハンセンのクネり方もヤだねぇ(笑)。ミック・ジャガーみたいなもんだが、もっとわいせつさ度合いが高いのだ。

 さて、「悪徳のジャングル」の中味だがファースト「ニューヨーク・ドールズ」でかっちょよい要素は全て使い果たしてしまったのか、クォリティ的には圧倒的にファースト「ニューヨーク・ドールズ」に劣るような気がするが、その分ゆとりを持って多様な取り組みに挑戦している。おかげでニューヨーク・ドールズらしいケバケバなR&Rと言うよりもカバーソングをニューヨーク・ドールズ風にやるとこうなる、っていうのが多い。もっともそれだけ確立してしまっていたってのは凄いのだが…。

 まぁ、最初に聴いたのが15〜16歳頃だったのでそんなオリジナルがどうのとかアレンジがどうのとか関係なくとにかく凄くかっこよく聞こえたものだ。今でもそのせいでこんあにダサいのにかっこよく聞こえるんだもん(笑)。ハチャメチャなニューヨーク・ドールズのライブの様相を思い浮かべながらよく聴いたわ、コレ。しかし今聴くとホントにイマイチなアルバムだな(笑)。いや、良いのだ、これがニューヨーク・ドールズなのだ。

 最近では4曲のボーナストラック入りでSHM-CDで出てるんだね…、定期的に需要があるアルバムってことなのだろうから、このインパクトに惹き付けられる若い世代はいつの時代もいるってことにちょっと安心したい…ん?何回も買い直す世代向け?

New York Dolls - One Day It Will Please Us To Remember Even This

ワン・デイ・イット・ウィル・プリーズ・アス・トゥ・リメンバー・イヴン・ディス(初回限定盤)(DVD付)  ロックンロールなんてのは狂気の沙汰だぜっ!ってのをショウとして最初に体現していたバンドのひとつであるニューヨーク・ドールズ。ちょっと前に元ファンクラブ会長を務めていた元ザ・スミスモリッシーがメルトダウンフェスティバルを開催するに当たっての目玉バンドとしてニューヨーク・ドールズの再結成を要請したことが始まりだった。…とは云えオリジナルメンバーの大半を失っていたドールズの再結成なんてのは誰がアテにするのだろう?そんな疑念もあって、ドールズのフロントマン、デヴィッド・ヨハンセンは再結成話に悲観的だったらしい。「正気じゃないね」って呟いていたらしいからなぁ。

 ところが、だ。そのライブをこなした後、自信が着いたのか、ツアーを行うことにした矢先にオリジナルメンバーのベーシスト、アーサー・ケインが他界。時を計ったようなタイミングでの訃報にバンドはぐらつくものの、元ハノイロックスのサミ・ヤッファをベーシストに迎えて再度復活。これでオリジナルメンバーはギターのシルヴェイン・シルヴェインとヨハンセンのみとなった…。しかし、ベースのサミ・ヤッファだって既に伝説と化しているハノイロックスの、正にドールズ直系バンドのベーシストだったワケで、ぴったりの人選だし、本人も憧れのドールズでベースが弾けるだなんて思いもしなかっただろう。それで2004年には日本公演も実現して、にわかフィーバーを醸し出した再結成ドールズ。ついでにその頃だとハノイロックスも再生誕していて、正にバッドボーイズロック復活!の兆しだった。

 そして驚くことに、そのままの勢いが持続していて今年初っ端からスタジオレコーディングするとのウワサは聞いていたものの、まさか本当に新作がリリースされるとは…。そして、出来上がった作品が「 One Day It Will Please Us To Remember Even This」というアルバムだ。話題としてはイギー・ポップのゲスト参加などだが、正直云ってどうでもよろし。このアルバムを初っ端からデカイ音でガンガン聴くべし♪

 すげぇロックンロールが詰まってるからさ。オープニングからサミ・ヤッファのドライブするベースラインってのがかっこいい。そしてどの曲聴いてもキャッチーて毒々しいロックンロールのオンパレード、ギターの音も確かにドールズの歪み具合とフレーズは健在で、ジョニー・サンダースでなくてもしっかりとその血は脈々と受け継がれているのだ。そしてちょっと声に張りがなくなったけど毒々しさは相変わらずのヨハンセンの歌声も渋みを帯びて正にロックンロールパーティそのもの。涙チョチョ切れるバラードっぽいのも安っぽいロックバンドらしくていいね、こういうの。今の時代こういうロックバンドがいないんだよ、みんな凝ったこと考えすぎだしやりすぎ。ロックはこれでいいんだよ、そう思わせるほどのパワーに満ち溢れた作品で、決してニューヨークドールズの名に恥じない相変わらずの三枚目のオリジナルアルバムと云える快作♪

New York Dolls - Dancing Backward in High Heels

Dancing Backward in High Heels  奇しくも2011年にもなってからまさかハノイ・ロックスのマイケル・モンローの新作「センサリー・オーヴァードライヴ」と同じ時期にニューヨーク・ドールズの新作もリリースされるなんてことが起こり得るとは夢にも思わなかった。New York Dollsの後継バンドとも思えるHanoi Rocksという位置付けで、そのHanoi Rocksですら伝説のバンドになっていたのに再結成、そしてNew York Dollsも再結成、そこにはHanoi Rocksのベーシストだったサム・ヤッファが参加していると言う構図も意外性に富んでいて夢馳せたものだった。今回のNew York Dollsの新作「Dancing Backward in High Heels」には残念ながらサム・ヤッファは参加していなくて、Michael Monroeの新作には参加しているという面白い図式。何とも贅沢な掛け持ちだったものだ。

 さて、そのNew York Dollsの「Dancing Backward in High Heels」だが、今回はかなり驚く感じの印象を受けた。どうにもR&R色からアコースティックと言うのかフォークと言うのかアメリカンな印象と言うのか、やや異なった雰囲気に聞こえたんだよね。ただ、アルバムを通して聞いているとやっぱりNew York Dollsの音か…、と言うよりもデヴィッド・ヨハンセンの声だなぁとつくづく思ってしまうのだが、どこかラモーンズと同じような曲調が多くて、ラモーンズ的なポップさとメロディアスさが印象的。だからと言ってR&R色がないワケじゃなくて、しっかりと軽快なR&Rしてる。でもそこはヨハンセン、さすがに毒気があるのだな。

 New York Dollsって…、いいのか。ヨハンセンがDolls的なR&Rを繰り広げているという解釈もできるんだけど、しっかりとDollsの音ではあるな。そのバランスが不思議で、やや中途半端かもしれない。でも、聞いてるとやっぱカッコよい。その辺の良さはなかなか一般的じゃないんだろうな(笑)。ラモーンズに向かいたいのかなぁ…、なんて思ってしまう。ん?いや、凄い良作でパンクだよ、やっぱり。音の系統がどうあれ、New York Dollsってバンドは最高にR&Rでパンクなバンドだもん。ジャケットからしてイカしてるでしょ?

New York Dolls - French Kiss 74

French Kiss 74   根本が全然違うんだけどR&Rでしかない、っていう意味でいいかな、って流れでNew York Dollsの登場。オリジナルアルバムは2枚しかないのでもちろん既に登場済み、後は発掘モノしかないんだけど、面白いことにいつの時代になっても何故かNew York Dollsの何かしらの音源ってのはリリースされたりするので、やはりそれなりにこういう毒気のあるR&Rバンドへの需要はあるのだろう。

今回は「French Kiss 74」という1974年のパリのライブをまるごと収録したライブ音源なんてのを…。その筋では昔から知られていたライブソースらしいけど、もちろんそこまでのニッチなリスナーじゃないんで、こういうので初めて聴くワケです。YouTubeなんかでも色々なライブが見れたり聴けたりするのはもう嬉しい限りで、口パクばかりなんだがそれでも動いているNew York Dollsが見れるのは嬉しいです。

 さて、この「French Kiss 74」というライブ盤はその名の通り1974年のパリのライブソースなんだが、割とまとも…ってかこういうもんなんだ、って感じで初期のグチャグチャ感からしたら随分普通にR&R出来てるか。それでも無茶苦茶ではあるんだが(笑)。そしてもう一枚加えられている前身バンドのアクトレスのデモ音源なんてのも興味を引くアイテムだろうし…って、そっちはまだ聴けてないのでいずれまた(汗)。

New York Dolls - Live at the Fillmore East

Live at the Fillmore East December 28 & 29 2007  2007年のNew York Dollsのライブ盤「Live at the Fillmore East December 28 & 29 2007」。驚きの再編成アルバム「One Day It Will Please Us to Remember Even This」でシーンに復活して断続的に活動しているみたい。再編成の時は結構驚いたし、そのクォリティの変わらなさにも感動したから後はライブだよねって事になるんだけど、これも見事なモノでさ往年の名に恥じないレベルのライブが繰り広げられてる。その模様が記録されてるってことで幾つかのライブ盤が出てるけど、たまたま目立ったからこの「Live at the Fillmore East December 28 & 29 2007」でも、ってことで実にいい加減に選んでますが…(笑)。

 ジョニサンいないしその分メンツはプロが長い連中集まってるからか以前のとんでもなく無茶苦茶なライブになる事もなく、演奏クォリティは著しく安定している。当然っちゃ当然だけどドールズの場合はそこからして不安だったんで、こういうライブアルバム聴いてアルバムに出来るレベルにはなってるってことが嬉しい。しかしシルベインのギタがホント、こんなにR&Rテイストたっぷりにドールズを引っ張っているなんてジョニサンがいた時はあんまり思わなかったけど、この人が実は核でもあったのかとすら思う。デヴィッド・ヨハンセンの歌声こそが、ってのは当然だけどさ、この二人で見事に看板を守り続けてるもんな。そこに個人的には好きなサム・ヤッファとスティーブ・コンテの参加で、ちょっとハノイ・ロックスと融合している状況になってる(笑)。

 ライブで演奏されている曲は往年のものが大半、一部新作からだけどやっぱりR&Rの輝きは変わらないねぇ〜、シンプルだけどソリッドなリフが刻まれるとどの曲もノレるし、あぁ、これか〜と思い、そこに予想よりもやや低い歌声となったダミ声が…最高♪

New York Dolls - Butterflyin'

Butterflyin'   New York Dollsもこの時代に出てきたバンドだったし、後世からはどちらかと言えばパンクの走りやグラムロックを更に突き進めたR&Rバンドというような位置付けで、KISSやアリス・クーパーのような大道芸人ショウとは大きく異なるギミックなしのストレートなR&Rバンドに映っている。初めて音を聞けた時はホント、カッコ良い!って思ったもんなぁ…、そのままギターを手に持って弾いても弾けてしまうくらいにはシンプルでR&Rなノリしかなくて捻りもなにもないからストレートに楽しめた。その後ようやく動いているのを見たんだけどさ、これがまたぶっ飛んでて…、カッコ良かったんだよ。何かさ、これこそR&Rバンドってのが出てて、痺れたなぁ…。だからこの手のバンドって好きなんです。下手だろうがなんだろうが華があって毒気が効いてるのが好きだね。

 そのNew York Dollsはアルバム2枚しかリリースしていないから既に書いてあるんだけど、面白いよな、やっぱり人気あるのか発掘盤がチョコチョコとリリースされている。再結成のアルバムなんかもかなりカッコ良いんでお気に入りだけど、やっぱり70年代のには敵わないだろって思ってこないだリリースされた「Butterflyin'」ってライブ盤…、オフィシャルかどうか怪しいけど、1974年4月のロングアイランドでのライブを放送したラジオ音源をそのまま収録したライブアルバムらしい。さほど音も良くないし、聴いてみるとバンドも相変わらず無茶苦茶だけど、貴重なライブ音源だしね、こんなんだったのか、ってのを知る意味でも楽しめた。下手くそだな〜(笑)、でもやっぱりR&Rバンドだな〜、スゲェや。


Johnny Thunders & the Heartbreakers - L.A.M.F

L.A.M.F.リヴィジテッド  ニューヨークパンクとして後にカテゴライズされることとなるバンドのひとつにニューヨーク・ドールズがあるのだが、サウンドはどう聴いてもシンプル且つノリの良いロックンロール。再結成した後のアルバムでも同じような音をきちんと出せるというのは凄いなぁと感動したものだが、結局デヴィッド・ヨハンセンのセンスがかなりマッチしていたということなのだろうか。

 ロックファンの中でニューヨーク・ドールズと来たらデヴィッド・ヨハンセンと言うヤツは多分凄く少なくて数多くの人間がジョニー・サンダースを思い浮かべるんじゃないかな。自分的にはギター弾きと言うのもあるのか、ジョニー・サンダースのかっこよさにはかなり痺れたクチではあるね。話逸れるけど、若かりし頃にパンクのビデオとか見たくて初めて見たのがジョニー・サンダースのライブのビデオでさ、なんか凄く退廃的で攻撃的である種ストイックで、そしてまったく不健全で、それこそロックだ…なんて思えるようなモノだったんだよね。

 そこでジョニー・サンダースが抱えていたのがギブソンのレスポールJr.のダブルカッタウェイタイプのイエローの方。後にクラッシュのミック・ジョーンズが同じモデルのワインレッドのタイプを使っていたけど、圧倒的にジョニー・サンダースのこのモデルがかっこよくってさ、かなり探し回って買った。もちろんギブソンなんか買えなかったんだけどさ、一生懸命コピーモデル探して…、だって、その頃そんなギター誰も欲しがらないから当然新品では売ってないし、人気があったモデルでもないから中古っつってもそんなにないしさ、相当探したなぁ、そういえば。見つけた時現金2千円しかなかったのに「買います」って言って取り置きしてもらって一生懸命金集めてきて買ったもん。ああ、懐かしい。今でもこのダブルカッタウェイモデルは好きだねぇ。ピックアップ一個だから凄くシンプルな音しかしないし、チューニングは狂うしで結構大変なんだけど(笑)。

 そんな憧れのジョニー・サンダースの姿を見て聴いたアルバムが「L.A.M.F.リヴィジテッド」という作品。もちろん「L.A.M.F.リヴィジテッド」バージョン。今じゃ「L.A.M.F.: The Lost '77 Mixes」として出ているからオリジナルの方も簡単に聴けるんだけどさ。うん、そんな細かいことよりも作品のかっこよさってのは堪らなかった。さいしょの「Bone To Loose」からかなりポップなメロディを持ったロックンロールでひたすら軽快。それ以外に何か必要なのか?と思うくらいに聴きやすくてギターサウンドを中心にガンガン走っていく。でもどこかガレージ的でアーティスティックなところがジョニー・サンダースのセンスなのかもしれない。退廃的な人だったからなぁ。ロックンロールを聴こうとするモノはやっぱりコイツは聴いてもらいたいアルバムだよな、と思う。知的さはないけど本質だもん。あぁいいなぁ、こういうの…。

ちなみにアルバムタイトルの「L.A.M.F」は「Like A Mother Fucker」だな(笑)。

Johnny Thunders - Live at the Lyceum

Live at the Lyceum   自分的にはR&Rって言うと真っ先にニューヨーク・ドールズが浮かぶ。エルヴィス・プレスリーやチャック・ベリーってのもあるけど、ちょいと古過ぎて毒が足りないので、ちょっと進化した毒の入ったR&Rが好みってことでニューヨーク・ドールズだったりするワケだ。ビートルズの初期だって凄いしストーンズ然りなんだが、彼らは自分たち自身がひとつのジャンル形成してしまってるので敢えて挙げなくても良いレベル。そこでニューヨーク・ドールズなのだが、更に言えばジョニー・サンダースなんだろうと思う。昔々とっても怪しいビデオ屋に革ジャン背負って入ってってなけなしのカネで買ったのがジョニー・サンダースのライブビデオ、もちろんアングラもので、しかもそこでダビングしてくれるってトコでさ、無茶苦茶怪しかったが…、でも見てみたかったR&Rな人。見た時はさ、ヘロヘロでボロボロで、なんだかよくわからんかったけどロックだった。だから好きなんだと思う。いざアルバムとか〜って話になるとトンと聴いてないのもあるので真のファンじゃない。ただ、スタンスとかスタイルが好きなんだろうと思う。

 1984年に再々結成した時のジョニー・サンダース&ザ・ハートブレイカーズのライブアルバムが「Live at the Lyceum」としてリリースされていた、今は無さそうだけど、こいつはちょいと聴いてたな。ただ、やっぱり滅茶苦茶で到底人に薦められるようなライブアルバムじゃないし、音楽的に云々を言うなら聞く必要はまるでないと思うライブ作品。ただ、どこまで行ってもR&Rなスタイルが封じ込められたアルバムってことで嫌いじゃない。R&Rってこんなんで良いんじゃないの?ってか、そう思わせてくれちゃう。そういうのが面白いトコだよな。普通に音楽を聴いている身からしたら到底聴けるシロモノじゃないロックなのに、別角度から聴けば全然アリなライブ・アルバム。ヘタさ、そりゃ(笑)。でもさ、かっこ良いんだよ。こんなに尖ったの、なかなか無いんだよな。

 たまに何かを思い出したくなる時にこういうR&Rアルバムに戻る。ただ、悩ましいのは実はこういうR&Rバンドがあまり無い、ってことだ。パンクとはまたちょっと違うしハードロックじゃない。ポップチャートにもいないしシンプルなR&Rバンド。希少種になってきたなぁ…。

Johnny Thunders - Down to Kill: Live at the Speakeasy

Down to Kill: Live at the Speakeasy (Ogv) [12 inch Analog]  自分ってシンプルにR&R好きなんだな、と思うわ。ラモーンズ聴いて「そうか〜、かっこ良いじゃないか〜」なんて思うと即座に思い出したジョニー・サンダースを聴いてしまうと言う単純さ。「Chinese Rock」のジョニサンバージョンを聴きたかったんでね。んで、アルバム「L.A.M.F」を…なんて思ったけど、そういえば前に「L.A.M.F」はブログ書いてるし、それならばやっぱライブ盤でも…と。ジョニサンってさ、何故かライブ盤が山のようにリリースされていて何が何だか把握してないんだけど、アナログ時代からあるものは自分も割と整理できているのでその辺からかね、ってことで。

 1977年のスピークイージーでのライブを収録した「Down to Kill: Live at the Speakeasy」というライブアルバム。「」リリース前のライブらしくて、「」からの曲を演奏しているのもなかなか特徴的だけど、ここでも最初から…本当にライブで最初だったかどうかはわかんないけど「Chinese Rock」から始まるんだよ。これがかっこ良いな〜と。軽いクセに疾走してるつうのか、普通に聴いたら何かダラけたらR&Rじゃない?って気もするけど、やっぱり「Down to Kill: Live at the Speakeasy」のライブは良いです。CD時代になってたくさん出てきたけど、ダラダラのばっかなので「Down to Kill: Live at the Speakeasy」が一番まともな気がするもんね。あ、ただし終盤はボロボロなので一体ナンなんだか…、ってのはご愛嬌としようじゃないか。冒頭からご機嫌で、好きな「Let Go」でR&R節にノリノリですね、はい。んで、もうパンクロッカー達の名曲がこれでもかとばかりに繰り出されているあたりは流石です。なんでパンクロッカー的なのかっつうのは音を聴いているだけではわからないだろうけど、生き方がね、ジョニサンの場合はパンク以上です。

 途中のMCとかヘロヘロだし、バンドも上手くはないしライブの勢いが滅茶苦茶凄いってんでもないけど、熱さだけは凄い。「I Wanna Be Loved」…こないだもMicheal Monroeのソロアルバム「」で聴いてたけど、ジョニサンももちろんとんがっててカッチョ良いわ。終盤は「I Love You」から「Bone To Lose」と怒涛のオンパレード♪ポップな側面もありながら思い切りパンクロックンロールなジョニサン。1977年のライブっても今でも全然通じるシンプルなロックンロールってのがいいね。

Johnny Thunders - So Alone

So Alone  全くもってギタリストってのは幅が広いんだが、これもまた独特のロックンローラーとして親しまれている…、本来親しまれて良い人ではないと思うけど、いや、教育的な意味で、だけど(笑)。うん、ジャンキーロックンローラーの代表格でもあるジョニー・サンダース。この人のレスポールJr TVモデルダブルカッタウェイのギターが凄く好きで高校生の頃に探して買った記憶があるなぁ。予想通り全く使い物にならない音だったけど(笑)。そんなジョニーのアルバムってのはほとんどがライブだったり一発モノだったりライブの編集盤だったりするのであまりまともな作品がないのが残念。そもそもジャンキーで成功とか興味のない人だったのでしょうがないのだが、その分作った時の出来映えは見事でした。

 1978年リリースの最初のソロアルバム「So Alone」。基本ロックンロールだけど、泣けるメロウなナンバーやサーフロックやドールズのセルフカバーなんかも入っていて好きなモノなんでもやってみました、って感じの作品で非常によろしい。そして驚くことに参加しているゲストがもの凄い。当時ジョニー・サンダースはロンドンに在住していた関係上、ある意味英国のパンクスやロックンローラーからは英雄的に扱われていただろうし、ドールズを崇めていた人も多かったはずなのでその辺注目の的で、色々な人間が寄ってきたんだろうな。ジョニー・サンダースも人がよさそうだから全てウェルカムってとこでこんだけ豪華なゲスト陣になったんだろう。

 驚くところではスティーヴ・マリオットとフィル・リノット。しかも英国60年代ビート時代の有名曲「Daddy Rolling Stone」ではジョニー・サンダース、フィル・リノット、スティーヴ・マリオットという順番にボーカルが回っていくという豪華さ。フィル・リノットはベースも弾いているんだけどさ、なんつってもスティーヴ・マリオットのボーカルでぶっ飛ぶ(笑)。もう一つはこの頃はまだ全然有名じゃなかったハズのクリッシーハインドが「Subway Train」っつうドールズのカバー曲のバックボーカルで参加しているっつう…。当時まだ彼女は新聞記者だったんじゃないか?まぁ、それだからって参加してるのも不思議だが…。

 そして多くの曲でのバックがピストルズのスティーヴ・ジョーンズとポール・クックだったり、そもそもプロデュースが後にU2で有名になるスティーヴ・リリーホワイトっつう…。う〜ん、凄い面々が揃っている。まぁ、そういったこと自体が凄いんだけど、それよりもそんな面々を従えようが何しようが滅茶苦茶かっこよいロックンロールアルバムを創り上げてしまったジョニー・サンダースが一番凄い(笑)。

Johnny Thunders - Hurt Me<

Hurt Me (Re mastered)  ギターの中じゃレスポールが一番好きなんだけど、他にも色々と好きなので結構手に入れて弾いてたりしててね、それなのに何故か早い段階からレスポール・スペシャルTVモデルなんてのを気に入って持ってたりした。この手のって今でも好きで、こないだもレスポール・スペシャル買っちゃったりしてるんだけど、ダブルカッタウェイのイエローの方ね、好きなんだよ。元々何でそれ?って話なんだけど、やっぱりJohnny Thundersが持ってるの見て、他ではなかなか見ることもなかったし、かっこいいな、って思ったからなんだろうな。特にJohnny Thundersになりたかったとかはないんだけど、ギターとしてのルックスに惚れたっつうか。The Clashのミック・ジョーンズがワインレッドのを使ってるのは見てたけど、そんなにカッコ良いって思わなかったんだが、何でかね。

 Johnny Thundersって妙に神格化されてる人で、それはもちろんNew York Dollsでの活躍とインパクトが絶大だからこそのR&Rの神様みたいになってるんだろうけど、本人もその後のThe Heartbreakersと一緒にやってる頃のはそのままR&Rを引きずってる感あるか。ところがソロアルバムになるとそんなR&Rなんてまるでやってなくってさ、もっとシンプルに歌ってギター弾いてるだけっていうのばかりで、Johnny Thundersって人の名前を聴いて印象を信じてソロアルバム聴くとかなり肩透かしを食うのだった。うん、自分がそうだったんだよ。幸いNew York Dolls聴いてたからそういう人だって思ってたのもあって、救われてたけど最初からソロアルバムだとしんどいよな。

 1983年にリリースされたJohnny Thundersのアルバム「Hurt Me」は正にその期待を裏切るようなアコギ一本で歌ってるソロアルバムだ。ホントにそのままアコギ一本弾いて歌ってるだけ、カバーもオリジナルもあるけど意外とソフトで甲高い声のJohnny Thundersの歌声にコードストロークだけに近いアコギで20曲位入ってる。最初これ聴いた時、レコード間違ってるって思ったくらいだ(笑)。こんな人だったのか?って思ったもんな。この後来日公演してライブハウスツアーやってたんじゃなかったっけ?アコギ一本でさ。それもまたR&Rを期待して行った人はそのギャップあったんじゃないだろうか。今じゃ神格化されてこれもジョニサンって言われてるけど、当時はオイオイ、ってなモンだった。大して上手くもないギターと歌でやられてもさ、ハートだけで迫ってくるからそれはそれで凄いけどね。

 そんな叫びがそのまま詰め込まれた作品が「Hurt Me」。良いとか悪いとかそういう次元でもなくて、生々しく部屋での録音をそのままレコードにしましたみたいな感じで、今じゃ小学生でも出来ちゃうようなのばかりだけど、その奥深くにある魂の叫びは簡単には聴けないね。とてつもなく生々しい魂の名作と言うべき作品。


Dead Boys - Young Loud And Snotty

デッド・ボーイズ登場!! ̄ヤング・ラウド・アンド・スナッティ  芸術的、知性的側面の強いと言われる初期ニューヨークパンクからは発展した、今度はロンドンパンクに影響を受けて誕生してきたUSパンクの波というものもある。もっともその大半はシンプルな音から更にカオスな世界はコアな世界に進むこととなりシンプルなロンドンパンクの勢いをそのまま音として影響されているバンドというモノは少ない。まぁ、その当たりに進むとあんまり興味がなくなってしまうからねぇ。ハードコアパンクってほとんど聴かないし。面白いのはあるの知ってるけどもう飽きるよなぁ。

 さてさて、そんなことではあるが中でもスティーヴ・ベイダーズ率いるデッドボーイズの音は本人のセンスもあり、相当に洗練された初期パンクサウンド、ともすればニューヨークドールズに追随するかのようなサウンドを持って世の中に出てきた。1977年デビューではあるがその実それこそCBGBでは鍛えられまくっていた下積み時代が長かったようだ。ちょこっと聴くとアメリカ的っていうのをあまり感じることなく軽快で一筋なロックンロールを激しい勢いでプレイする初期ロンドンパンクに近い音で、なかなか良いのだ。

 このスティヴ・ベイダーズってのが曲者で、この跡にはパンクスの大御所連中と一緒に組む「Loads of New Church」ってバンドがあるんだが、そこではポップセンス満開で実はかなり才能豊かな人だったという。それこそハノイ・ロックスのマイケル・モンローはこのバンドの大ファンで、自身のソロ作品などによくカバー曲を入れていたしね。なかなかマニアックなセンスした人です(笑)。今や故人ではあるのが残念だが、結構あちこちで作品を聴くことができるのでマニアックに楽しみたい人はお薦めだね。

 デッドボーイズ自体はアルバム二枚だけしかリリースされずに解散したけど、最初のアルバムである「ヤング・ラウド・アンド・スナッティ」はシンプルにお薦め。考えることも悩むこともなくスカッとノレる名盤ではあるな。「ニューヨークのセックス・ピストルズ」と呼ばれていたくらいシンプルな音。

Dead Boys - We Have Come for Your Children

We Have Come for Your Children  アメリカのパンクの歴史ってのはちと不思議でして、発祥を問われると大体がヴェルヴェット・アンダーグラウンドにそのルーツの源を求めることが多いのだが、一方ではMC5というガレージバンドに進むこともある。ニューヨークパンクというジャンルが前者で一般的なパンクは後者の血が脈々と根付いているというようなところだろうか?ラモーンズやパティ・スミス、テレビジョンなどはやはりニューヨークパンクの類に属するいわるい知的でアートなパンク。しかしMC5から流れてきた衝動的なバンドという意味では途中が結構抜けているような感じだ。ニューヨークドールズは割と特異な世界を放っていたので、直接的に今のパンクと呼ばれる源流とは切り離した方が良いしね。

 77年にデビューしたオハイオ出身のデッド・ボーイズはジョニー・ラモーンの声掛けがあったことからその流れに属する類に近いので、Bad Religeion以降のハードコアパンクとは音的にはあまりリンクしないが、パンクを語る上では非常に重要な、そして才能のあるバンドだったことをメモっておきたいんだよね。ファーストアルバム「Young Loud and Snotty」は結構ラフに出来上がっていて、時代の流れを感じるパンク的なアルバムなんだけど、翌年にリリースされたセカンドアルバム「We Have Come for Your Children」はそのイメージを一新してくれるくらいにかっこよくて切ない、アメリカとはあまり感じられないシュールな雰囲気を持つ作品だ。後にハノイ・ロックスのマイケル・モンローやガンズのアクセル・ローズが影響を公言していたが、確かに彼等は相当エッセンスを自分達に取り込んでいるね。スティーヴ・ベイダースという奇才が在籍したデッド・ボーイズに注目を。ちなみにこの人、80年代にはThe Lords of the New Churchのフロントマンとして復活しているので知っている人も多いと思うけど、その元のバンドね。

 それで「We Have Come for Your Children」を聴いてみるとだ、基本ロックンロール的でニューヨークドールズらしいかっこよいシャープでソリッドでビートの聴いたロックが次から次へと出てくるし、ストーンズの「Tell Me」なんかもカバーしてるけど、実に自分達らしいアレンジに仕上がっていてかっちょよい。こういうサウンドってなかなかアメリカでは出てこないので、珍しい人だよ、多分。キャッチーさもしっかりと持ち合わせていて、そして最後の「Ain't It Fun」ってのがこれまた泣かせる曲でね。ガンズがカバーしてたけど、それよりももちろん悲愴感があって良い。他の曲と比べるとちょっと浮いている気もするけど(笑)。

 割と後世に与えた影響も大きいバンドだと思うけど、あまり真似できているバンドは見当たらないからやはり売りにくい音なんだろうか?せいぜいハノイ・ロックスくらいかね、こういう音は。

The Lords of the New Church - The Lords of the New Church

The Lords of the New Church  80年代の音楽ってのは聴く者の耳を曇らせる効果があってさ(笑)。スティーヴ・ベイターからLords of the New Churchのことを思い出したんだけど、そういえば昔聴いたことあるな…と。その時はあんまり好きなバンドじゃなくって、どっちかっつうとニューウェイブ的路線じゃなかったっけ?とか記憶を思い返したんだが…。とすると気になるので、これまた引っ張り出して聴いてみるワケだな(笑)。

 1982年リリースのファーストアルバム「The Lords of the New Church」だね。よく見ればドクロと十字架なんだからちょっと違うよな…。ただ、この頃ってニューウェイブバンドもえらっくゴシックな世界を紡ぎ出しているのもあったらかそれだけでは何とも言えん…ってなとこでしたな。

 そして聴いてみると、あまり当時の印象って間違ってなかったかも。確かにパンクから流れてきているので全然パンクなんだけど、ギターの音とかがニューウェイブ的なんだよな。それもこれもギタリストのブライアン・ジェームズ…(元ダムド)のギターの音色がニューウェイブ的なんだよ。ん?ダムドもその頃ってこういうギターの音してたか…。う〜ん、だからパンク的な感じではなかったんだな。ちなみにベースはシャム69のベーシストから、ドラムはよく知らないけどバラクーダズというどれもパンクバンドから組まれているバンドだったらしい。初期にはトニー・ジェイムズやテリー・チャイムズなんてのもいたとか…、あぁ、この辺でハノイ・ロックスが繋がってくるんだな…、なるほど。そんな英米混合バンドだ、っても今気付いた。

 …とまぁ、そんな音で、アルバム「The Lords of the New Church」を聴いた限りではもちろんサウンドのセンスとかは凄いんだけど音色がちょっと、って感覚はあった。でも、今聴くとこれもパンクだよな…なんて思ってしまうんだから大人になったモノだ。音楽が進化していくことを認められなかったパンク好きな年齢ではないってことだ(笑)。多分後は80年代独特のドラムの音がポップさを増しているのもあるんだろう。

 そっか、あと当時なんか印象が違うと思ったんだけど、アルバムのジャケットが真っ黒だったんだよ。でもオリジナルはメンバー4人の写ってるヤツじゃないか。このルックスだったら聴いてたのになぁ(笑)。