Iggy Pop & The Stoogies - Raw Power

Raw Power  恥ずかしい話だが、つい最近になってようやくイギー・ポップの「Raw Power」を初めてマジメに聴いた。ガキの頃に聴いたら結構ハマったかもしれないな、なんてちょっともったいない気がした。もう少しだけでも早く聴ければもっと熱いレビューが書けただろうに…。

 で、ようやくマジメに聴いた感想………ヘタクソ(笑)。

 わはは〜、ってなことはロックの世界ではどうでもいいことなんだけど、さすがにそう思った久々の音だったかな。しかし、初っ端から熱いアルバムで、それでいて個性が多岐に渡っている作品で、なるほどアチコチで元祖パンクの名盤と呼ばれるワケだ。歌声の多才さ、過激さもさることながらこのギターの音のエグさが耳について刺激的なのかもしれない。リリースは1973年と言うからもうボウイとは接触済みで立派にカリスマだった頃、そしてもっともはちゃめちゃな人生を生きていた頃なのだろうな、それが見事に音に表れているんだろうか、聴いているとエネルギーが溢れ不満解消にピッタリかもしれん。

 今までボウイはよく聴いたけど、その流れの延長線にイギーがいたので「Idiot」とかボウイプロデュース作品は聴いていたけどボウイの作品の一部として聴いていたのでストゥージーズ時代に手を出さなかった、そしてパンク側からもUK勢は当然だけどUS勢だとパティ・スミスとかラモーンズくらいからだったので丁度聴く機会がなかった、それ以前だとニューヨーク・ドールズだったし…、縁がなかったんだろうなぁ、これ凄いアルバムだよ。あぁ…これからイギーにハマるって情けない(笑)。

Iggy Pop & The Stoogies - Fun House

Fun House  ハノイ・ロックスで少々激しいパンキッシュなモノが聴きたくなって何気なくコレクションの棚を眺めていて、ふと見つけたアルバムがイギー・ポップの「ファン・ハウス」。イギー・ポップをマジメに聴いたのはそれほど古い話ではなくって、ロンドンパンクが好きだった自分にはイマイチアメリカのパンクには興味をそそられることなくって、せいぜいパティ・スミス程度しかまともに聴いてない。今思えばイギー・ポップって最初期は1960年代後半なワケだから全然パンクっつうのでもなかったんだよね。でもまぁ、なんとなく気付いた時にはゴッドファーザー・オブ・パンクスみたいな感じだったのでそのままのイメージだったんだな。だから結構聴かなかった。

 失敗

 いやぁ、ホント。もっと早くに聴いて刺激を受けるべき人だったし作品だった。今回はセカンドアルバム「ファン・ハウス」なのだが、最初期の三枚はどれも衝撃的なサウンドで、時代を考えると驚異的な作品とすら云えるものなんだよね。「ファン・ハウス」も今では「ファン・ハウス(デラックス・エディション)」が出ていて多様な楽しみができるんだけど、とにかくアルバムそのものの出来映えが凄い。印象的には狂喜するジム・モリソン。ここまでドロドロとした歌を野獣のように歌い叫ぶ人はそうそういない。そして一方サウンドそのものはかなりしっかりと作られていてハードロックというかはサックスなども使ったインパクトを与えるということに貢献している音作り。ただしそれよりも何よりも決定的にアルバム中で浮き出ているのがもちろんイギーのカリスマ的な歌声、叫び。退廃的なムードの中、叫ぶ…、正にロックの象徴と言わんばかりの傑作。それでいて一曲一曲が結構長いという、時代性もあるのだろうが飽きさせない音と惹き付ける魅力には脱帽だね。英国モノと違ってそこには優美さや荘厳さというものは皆無。ただひたすらがなり立ててる、ガレージサウンドと言うのかヴェルヴェット的と言うのか…、全く新しい音だ。

 ドラッグ問題とは切っても切れない時代と音。1970年代。そして彼等も「1970」として歌っているけど、数多くのバンドがこれをカバーしている。そうそうハノイ・ロックスもダムドもね。「I Feel Alright」だな。いやぁ、聴く機会に恵まれてよかった。面白いとかいうか音楽的に云々ではなくってロック的に刺激を受けられる作品。名盤、と呼ぶかどうかはわかんないけど、ひとつの衝撃には違いない作品だね。

 ブチコワシタクナル

Iggy Pop - Soldier

Soldier   Iggy Popの1980年の作品「Soldier」はアリスタからリリースされた2枚目のアルバムで、Stooges時代のカリスマ性や破天荒さは鳴りを潜めたソロ時代、ボウイと組んでる頃はそれでも時代の先端を走っていたから不思議な組み合わせが評判となり今でも名作扱いされているが、その実ボウイと袂を分かってからの作品ではさほどの評判ではないらしい。今となってはそれもよく分からないんで、ただライブラリを聞いて自分でどう感じるかってな話だね。当時Iggy Popって聴かなかったんでリアルタイム的には知らないし、知ってるのはもっと後になってから。まぁ、ってもその何年か後にはある程度のカタログは全部聴いたりライブも聴いたりしてたけどね。

 この「Soldier」はこれがイギーらしいアルバムだ、と言う気もないだろうし言う人もいないと思う。メロディや本質的な部分はもちろんイギーなんだけど、出て来ている音はアリスタの音。悪くないんだけどまとまりすぎてる音でロックらしい音ではないってヤツ。パティ・スミスとかキンクスのこのヘンの時期とかそんなのも同じ感触。んで、作風はと言えばボウイとの共作もあるからか、ボウイが関わってるよと言われたら信じてしまいそうなくらいボウイの影響から逸脱できていない、言い換えるとボウイからの影響がソロの作風になってしまっている感じで、割と低迷してたのかもしれない。自分らしさを見つめたと言うか…。だからハジけ切れてないようにも聴こえるし、イギーらしら不足にも聴こえる。でも、このジャケットだから何か衝撃的で手に取ってしまうんだよね。

Iggy Pop - Lust For Life

Lust for Life  ジム・モリソンになりたくてロックシンガーになったオトコというのは多分世の中に結構いると思うけど、同時代に生きていた人間がそう思い、正にジム・モリソンのような人生を生き、そして現在でも行ける神話として存在している人、イギー・ポップ。日本ではあんまり人気がないというか、世界的にも特にヒット曲に恵まれたワケでもないのでそんなにメジャーな人じゃない。ただ、そのパフォーマンスはロックを多少かじる人間であれば知られた話だし、恐らく名前も知っていることだろう。

 そんなイギー・ポップのソロデビュー作から二枚目のアルバムがこの「Lust for Life」だ。1977年リリースで、最初のソロアルバム「The Idiot」も同年にリリースされていることからもわかるように一気に録音してしまった作品なんだけど、過去のカタログからひっくるめてみても一番出来が良い作品。まぁ、充実していたんだろうね。ボウイとベルリンに籠もって創り上げた作品というのは最早有名な話で、ボウイの手腕が光る。

 このアルバム、まずはジャケットのイギー・ポップの笑みが不気味。怒りと反抗を信条にして世に出てきた元祖パンクロッカーがこの笑みとは何だ?と。まぁ、そういう信条を理解した上でのメッセージと、自信、だろうな。事実、「Lust for Life」という作品は素晴らしい作品だから。音は良くないし、荒削りな演奏で収録されているし、特にイギー・ポップの声が出ているとかじゃないけど、ロックな作品なんだな、これ。最初の「Lust for Life」の粗っぽいドラムのワイルドな音からして凄い。曲そのものも熱い情熱が熱唱されていて、伝わってくるものが凄く多い。曲調は異なるけど、同じように響いてくるので有名なのが「The Passanger」か。妙にポップなコーラスと曲の持つ迫力がアンバランスで面白い。

 それと有名なのはこの中から「Tonight」と「Neighborhood Threat」という曲はボウイが自身のアルバム「トゥナイト」で正にポップス界の音に仕立て上げてカバーして大ヒットさせている。まぁ、イギーとの共作と言えども大部分はボウイだろうからなぁ。それと面白いのはこのアルバムのリズム隊を努めているのが後のティン・マシーンを結成するトニー・セールスとハント・セールス。ここら辺で出逢ったってのも有名な話かな。それにギターはカルロス・アロマー(ボウイのトコのギタリスト)なのでほぼティン・マシーンの原型が聴けてしまうのだが、わかる、って感じ。

 アメリカ人のくせに全然明るくない、ヨーロッパ的な雰囲気のアルバムに仕上がっているのは面白くて、やはり制作者と制作場所によってアメリカの脳天気さは影を潜めるのか、はたまたヤクチュウ上がりだからこそこの雰囲気なのか、ニューヨークの暗さとはまた違う退廃的なサウンドは恐らく唯一無二。

Iggy Pop - TV Eye:1977

TV Eye:1977 ライヴ(紙ジャケット仕様)  Iggy popの1977年のツアーを入れた正に全盛期のライブアルバム「TV Eye:1977」。バックはご存知David Bowieが鍵盤弾いててセイルス兄弟がリズム隊を務めているイギーのバンド時代。バンドとパンク的パワー全開の勢いは当然のことながら、驚くべきは鍵盤のセンスの良さ。さすがにボウイなのだなと唸ってしまうくらいに絶妙なところで鍵盤をクローズアップして音を出してくるところ、単にバックで音を弾いているだけではなくってイギーを完全に支えているかのような役者ぶり。初っ端からそんなお話を書いてしまったが、この粗暴なライブの中でそのセンスが光りまくってるからこそ目立つという凄さ。

そしてそのバックに支えられて安心のイギーは全力で自身のパフォーマンスに集中しているからライブそのもののパワーも圧倒的なものになってるからよろしい。ラモーンズのあの畳み掛けるようなライブ感ではなくて、何だろ、芯のパンク的発散とも言える突き放しながらもエネルギーをどんどんと出して圧倒してしまうかのようなライブ。もちろん音はうるさい、相当にうるさい、その中でイギーがど真ん中で毒を吐きまくっているという姿が目に浮かぶ圧巻のライブ盤。

 勢いとパフォーマンス性、カリスマ性は高かったものの肝心の音楽性に掛けていた部分をボウイが埋めることで見事に開花したイギーという見方もできるが、やはりこのパワーが無ければ成り立たなかったし、それは単にパンクムーブメントというものだけでもないロック的なスタイルが今でも生き残っている理由だろう。やっぱりさ、聴いててうるさい!って思うのがロックだよ。綺麗に聴こえるなんてのはダメだね(笑)。

Iggy Pop - New Values

New Values  60年代からキャリアをスタートさせて70年代にインパクトを残してソロに転じた人…、なぜかIggy Popが思い浮かんだんだよな。Bowieの流れもあったからかもしれない。でも、結構自分のブログってIggy Popもちゃんと書いてるんだな、と我なが驚いた。そんなに聴いてたワケでもないし、どこかに惹かれていたこともそんなにないからさ。ただ、常にインパクトを放つ人っていう感じだったかな。Stooges聴いてからはかなり変わったし、「Idiot」とか聴いてからはBowieの流れだけど独自性も何となくわかってきたし、チョコチョコと聴いてたりしたんだよね。

 1979年にリリースされたソロ作三枚目になるのかな、アリスタレーベルに移籍した後の気合の一枚「New Values」。その割に評価がそれほど高くないのも本人的にはズレてるってトコだろうか。これまではBowieの色が強かったからここで離れてみてようやく自分色が出せたハズなんだが、正直言ってあまりにも平凡なロックかも。時代がNew Waveに差し掛かってきたのもあって、Iggy Popなりに時代を反映していたって気がしないでもないけど、ちょっと音に刺激が足りない。しっかりとイギー節してるのでどっからどう聴いてもイギーだしギターのキレ具合もえらくソリッドでタイトな音がかっこ良いんだが、何だろ、アリスタ独特の色なのか?妙にAOR的な側面があったり…(笑)。ま、そんなこともないが。

 いやね、こんなにコーラスがしっかり入っる割にはギターとかバックの音がチープでさ、作り込んでるって気がしちゃって、やや興醒めな部分が耳に付いただけです。本来のイギーの持つ味をアリスタ的にしちゃってる所に違和感かも。だからと言って作品が悪いワケじゃないのが困る…ってか寄せ付けにくくしてる?ん〜、ギャップが楽しいんだろう。そんな印象のアルバム。今回聴いてみて、ホントにソリッドなままだったら面白かったか?と言われればそんなことはないと思うし、難しいなぁ。

Iggy Pop - Preliminaires

プレリミネール  存在そのものがパンクな人…、それがイギー・ポップだ。パンク以前からパンクだったし今回の新作なんぞは正にパンク的行動のひとつじゃないかと。いや、聴いてみたら滅茶苦茶驚くことは間違いない作品のリリースにちょっと戸惑った。基本的にイギー・ポップくらいの人だと新作ってのをまともに取り上げて聴くってことも実はあんまり機会が多くなくって、前作のストゥージーズ再結成作品「ザ・ウィヤードネス」とかその前のソロ作「スカル・リング」にしてもレビューなどで、「ほ〜」と思ってたくらいだった。うん、気軽に聴こうってのがなかったからかもしれない。

Iggy Pop - Preliminaires プレリミネール

 そんで今回の「プレリミネール」という作品。正直云ってジャケットからしてちょっと違うなぁ〜くらいにしか思ってなかったんだけど、何となく最近はこんなブログ書いてるのもあって、ネタ的に聴いてみようかな〜っていう気楽な気持ちで何の前評判も見ることなく普通〜に手に入れて聴いてしまったワケだが…。

 「ヲイ!?」ってなもんだ(笑)。

 適当に取り組んだモンだから曲目も何も気にしないでMacで再生…、最近はCDプレイヤーとスピーカーで腰を据えて音楽を聴くということも少なくなってきて、大体がMacで再生しながら何かしてる、ってな感じなので曲名も何も見たけりゃ見るってなスタイルだったんで気にしなくてね…。そんで、最初からブツブツ呟くようなイギー・ポップの超低音歌声が流れてきて、ふ〜ん…ってな感じで気にもせずに、その内に爆音が始まるんだろうか?なんて重いながら流していると…、途中から聴いたことのあるメロディへ…。「ん?これ、「枯葉」じゃね?」ってな感じでして…。曲目確認するもフランス語なので、こんなんだっけか?程度で何かおかしいな…くらいの認識。

 さて、そんな調子で次の曲も妙〜にシャンソン…、その次はジャズボーカル…。しばらくするとようやくちょっとロック的な「Nice To Be Dead」ってのが始まってイギー・ポップらしくなるんだが、驚いた。こういうアルバムを作る、歌う、っていうこと自体が自分をぶち壊すというパンクな人だったなぁ〜と。そうなると俄然面白そうになってきてアレコレ調べるワケだが、爆音でがなり立てて歌うことに飽きたってことらしく、シャンソンやジャズボーカルを聴いている状況でアルバムを作ったからこうなった、というものらしい。

 しかしまぁ、驚いたアルバムだったわ…。こういう衝撃を与えられる人ってそうそういないなぁ…。次はデヴィッド・ボウイあたりがこういう作品出してきてもおかしくないな…。

MC5 - Kick Out The Jams

Kick Out the Jams  ガレージサウンドが過激になってくると後にパンクと呼ばれるサウンドの母体となっていたというのが通説。故に元祖パンクサウンドと言われるものは大体ガレージバンドだったワケだ。あ、アメリカでの話ね。英国ではそもそもThe Whoだってパンクみたいなモンだったワケで、英国パンクバンド全員がThe Whoは好きだったっていうのも有名な話。さて、アメリカはその辺でいうとブルーチアーが最右翼に映るんだけど、どうかなぁ。それとイギーのストゥージーズと同郷でミシガンを騒がせて世界に出ていった元祖パンクバンドとして呼ばれるモーターシティファイヴ=通称MC5がいるね。

 1969年リリースの「Kick Out the Jams」デビューアルバムにしてライブ盤という画期的なスタイルで出てきたバンド、ライブそのものは1968年のライブだというからぶっ飛ぶ。まずは収録されている音質が滅茶苦茶ワイルドで、今のかっちりしたような音じゃなくてライブ感が凄く溢れる音でさ、もしかしたら客席録音盤なんじゃないかと思うくらいワイルドな音で、ナマナマしいサウンド。もちろん上手いとかヘタとかいうレベルは超越していて、ただただバンドの持つパワーをひたすらぶつけてくるという感じのガレージサウンド。うん、パンクじゃない。そしてメロディも実はしっかりとしていて、さすがにアメリカのバンド、キャッチーなサビやメロディをしっかりとハードなバックの音の中に持たせているので、より一層市場価値が高まるワケだ。

 この「Kick Out the Jams」はねぇ、うん、個人的には音的にはなんか刺激がないんだよね。確かに凄いアジテーションと熱い演奏とパワーで攻めてくるのでガレージ〜パンクの世界ではバイブルになるのもわかるんだけど昔からどこか違うんだよなぁ〜と違和感があって…。多分、単なる怒りだけでバンドの音が構成されているからだろう。世の中的な名盤っていうのと自分の価値観の差を感じる一枚でもある。ま、ナマで見てたら違うだろうけど(笑)。ちなみにMC5は以降も何枚かリリースしているんだけれど、あまりパッとしない。このアルバムだけが脚光を浴びている印象。

 まぁ、昔からあんまりマジメに馴染めないサウンドだったんだけどせっかくなのでまた聴いてみたけれど、そんな感じでやっぱり馴染めない音だったなぁ。サウンドもやっているジャンルも結構好みのハズなんだけど、何かが足りないんかな。不思議。