The Clash - The Clash(白い暴動)

白い暴動  ロックという世界はまだ誕生してから半世紀しか経過していないが、正に動乱の時代が1970年代だったとも云えよう。ロックが最後に変革したのは多分パンクが出てきた時。以降は変革というよりは進化に過ぎない面も大きいんじゃないかな。まぁ、それ言ったらどれもこれもそうなのかもしれんから偉そうに書くことではないが(笑)。ザ・クラッシュというバンドはパンクロックの世界に於いては一番最初のバンドではない。別にピストルズが最初でもないし、ニューヨークからしたら別にパンクロックムーヴメント自体が初めてのことじゃない。が、しかし、英国でそれは大いに受けた。大衆が欲していたロックだったからだろうね。

 シングルデビューは1977年3月。その一ヶ月後にアルバムデビュー。以降ひたすら自分たちでシングル盤をリリースしたりファンのために出来ることを何でも自分達の力でやってのける姿勢は彼等が表立ったところでは最初のバンドで、おかげでコレクター的には集めなければならないものがそこら中に散乱しているという状態を招くことにんり、大変な面もあるのだが(笑)。そこへきて英国盤とアメリカ盤の違いもあり、またミックス違いやバージョン違いなど実は結構色々とコレクター的に楽しめるアイテムが揃っているバンドのひとつ。最近シングルボックスが出たから結構一気に揃えられて便利になったけどね。

 そのザ・クラッシュのファーストアルバム「白い暴動」こそが彼等のサウンドの原点でもある。そして敢えて書くと適当に入手するアメリカ盤でなく英国盤を最初に聴くべきだよ、これは。ちなみにアメリカ盤は英国盤をベースに結構曲をいじっていて新しいのも入れてるんだよ。それってドラマーがトッパー・ヒードンでさ、ザ・クラッシュのファーストアルバムのドラマーってテリー・チャイムズだからちょっと違うんだよね。まぁ、そんなに全然違わないけど何となくズレた感じするし、そもそも時間軸がおかしいじゃん。なので英国盤聴いて細かいのはシングルボックスで揃えるってのが時間軸に合わせた楽しみ方(笑)。

 しかし、最初っからシンプルにかっこよいロック。これで歌詞が素直にわかればもっと楽しいのかもしれないけど、サウンドだけでもストレートに刺さってくる魅力があるロックで音はチープだけど、それでもしっかりとハートが伝わってくる。そんなのが何曲も詰め込まれているし、彼等が最も勢いがあった最初期をそのままパッケージしているってのが良い。ライブだとこの倍の早さで演奏してたみたいだけど、それでも良い。しっかりとコーラスあったりメロディも出来ていたり、何処かビートルズ的な面もあるので聴かせやすい音を作る才能はあったと思う。

 クリスマスだから、っていうよりさ、ジョー・ストラマーが逝去してから5年経ったんだよね。それを思い出したのでザ・クラッシュの最初の作品を取り上げてみようかな、と。彼等にクリスマスソングなんてないけどさ。もしかしたらジョー・ストラマーがポーグスのライブに参加している時にポーグスの名曲「Fairytale Of New York」を歌った可能性はあるけど…、いや、ないか(笑)。

The Clash - Give'em Enough Rope

動乱(獣を野に放て)  凄く良く聴いたアルバムってさ、大体10代から20代前半くらいってのが多くて、そりゃ持っているアルバム数もタカが知れてるし、なけなしの小遣いはたいて買ったアルバムだから好き嫌いよりも好きにならないと勿体無いっつうかね、ひたすら聴くんだよ、そればかりを。だからつまらないアルバムなんかでも凄く良く知ってたりして細かいところまで覚えているっつう…。誰でもそうだと思うんだけど、これが大人になってくるとやたらと聴くものが増えてきて一方では聞く回数が減ってきてコレクションだけ増えていくという悪循環。そうなる前に聴いたものはホントに懐かしさもあるし、自分の身になっている…ってのと、結局そこに戻って行くという自分の音楽体験。なるほど、面白い。

 1978年にリリースされたThe Clashのセカンドアルバム「動乱(獣を野に放て)」。この邦題がまたよくわからなくて、何でまた「動乱(獣を野に放て)」なんてタイトルなんだ?と。オリジナルタイトルは「Give'em Enough Rope」なワケで、原題でもどんな意味なのか普通にはわからないので、きっとそういう意味合いの言い回しになるのだろう、と思っていた。それに加えてこの三色トーンのジャケット…、レゲエの色合いには緑がないし、英国って色合いじゃないし、警告?信号?そういう意味深な所もよくわからずに単にかっこ良いっていうことで超満足していた一枚。プロデューサーのサンディ・パールマンのオーバーワークで本人たちはそれほど気に入っていないという一枚だったらしいが、そんなの最近知ったに等しい話で、そんなこと全然知らずにひたすらこのアルバムを聴いて聴いて聴きまくってロックを気取ってたあの頃♪ギターを弾いてみればえらく簡単な音ばかりで自分もThe Clashになれるじゃないか、なんてさ(笑)。ま、それはLed Zeppelinでも同じことを試みたりしたのだが…。

 オープニングの「Safe European Home」のスネア一発でアルバムスタート! これがまた気合の入る一発で、アルバム聴くたびに身を引き締めたものだ。曲も疾走感溢れていて滅茶苦茶かっこ良いしさ、堪らなく好きな曲だね。それに「Tommy Gun」の疾走感も勢いがあってかっこ良い。それにやや憂いの香りがする「Stay Free」とか好きだねぇ。映画「ルード・ボーイ」でのレコーディングセッションの風景で見ているとこのメロディの儚さが身に染みたものだ。どの曲も熱く激しいThe Clashってバンドをよく表現しているし音の作りもファースト「白い暴動」のチープさとは全然違ってダイナミックでいいんだけどな、実は本質と違う音に仕上がっているんだろうか?それでもいいや、聴いているファンとしては想い入れのある一枚なので、ひたすらにかっこ良いこの音を楽しむ。もっともThe Clash自体は結構自分のロックキャリアを通じて聴いているバンドなので深くなっていくばかりではあるんだが…。

 ここまでのThe Clashがいわゆるパンク的な作品で、次の「ロンドン・コーリング」からは独自のThe Clash作風が始まる。世間的にはそれを問題作として受け止めているがThe Clashなりの自然な歩み方だったハズだ。レゲやダブの要素をあまり見せないこの初期2枚もまた楽しめる♪

 「All The Young Punks」…と言われるにはお互い年を取り過ぎたかもしれないけどな…。

The Clash - London Calling

The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition  二枚組のアルバムがロックの名盤ってことになるのはなかなかしんどいことではないのかな、と思うが、実際にはそれなりにたくさんあるモンだなと不思議に思った。ここの所そんなのを意識していたワケでもなかったけど、各アーティストに一作くらいはそういうのがあって、ロック全体的にそういうボリューム感を評価する傾向もあるのだろう。まぁ、じっくり聴くと大概のモノは飽きてくるのだが…、しかしここ最近のCD世代のバンドなんてのは標準で80分なんだから凄いボリュームだよな。作る方はともかく聴く方はチャプターピッピッて飛ばして聴くんだろうな。だから音楽が軽い扱いになっちゃうんだよねぇ、きっと。いや、それはいいんだけどさ。ロックってのはもっと重みがあって欲しいものだ。

 The Clash 「The Clash London Calling - The 25th Anniversary Edition

 1979年、というか実際は1980年リリースのアルバムなんだよね。でも多くの資料を見ると何故か70年代のアルバム傑作選に入ってくるんだよ。気持ちはわかるが、そりゃウソだろ、って言いたくなることが多々…、実際ジョー・ストラマーもインタビューでそんなこと答えてた(笑)。

 そうだなぁ、このアルバムと「Sandinista!」はとにかく攻略するのに時間かかった。15年くらいかかったもんなぁ。「Sandinista!」よりはこっちの方が時間かからなかったけど、それでも結構かかった。そりゃ、パンクの勢いとか攻撃性ってのに惹かれてたワケで、それがいきなりこのアルバムでは多くがレゲエ・ダブへのアプローチなワケでさ、好き嫌いがはっきりと曲によって分かれてしまって、自分で編集して聴きたいと思ったくらいだもん。そういう聴き方しないから、どうなるかと言うと無理矢理アルバム全部を聴くんだけど、やっぱ苦痛になってきた時あるしなぁ。でも、ジャケットは滅茶苦茶かっこいい。コレ、ポール・シムノンがベースを叩きつけている所なんだよね。このイメージのままだと攻撃的なパンクなんだが(笑)。うん、でもやっぱ「London Calling」とか「Clampdown」てのは昔からのクラッシュらしい曲だしね、ちょっとクールでさ。他のはちょっとダラダラ過ぎるんじゃないか?なんて気がしてて、やっぱ二枚組の名盤ってのは難しいのかもな。

 なんて思ってるところにこないだリリースされたのが25周年記念盤の2CD+DVDっつうデラックスなヤツ。アルバム本編はともかく、ミック・ジョーンズの自宅から発見された有名なヴァニラテープ。要するにスタジオでのリハテイクっつうとこだけど、これがまたダラダラのセッションでさ(笑)、本編があれだけダレてるってことは、やっぱりリハ段階からかなりダレてるのがわかる。DVDではプロデューサーのガイ・スティーヴンスの気違いじみた様子がよく見れて、全くこれでレコーディングできたバンドってのは凄いな、と。フリーにしてもモットにしてもクラッシュにしてもよく付き合ってるわ。そんな妙な感動があった(笑)。

 うん、だからこの「London Calling 」っつうアルバムなんだが、昔はそんなんであまり聴けなかったけど、時間と共に聴けるようになるとなかなか頼もしい。特にアルバム前半は粒揃いかもしれん。「新型キャディラック」は思い切りクールなロカビリーだし、「Jimmy Jazz」もクールにスウィングしたダブっつうか独特の音だね、いいよ、これも。で、「Hateful」は言葉の過激さから昔風のパンクかと思えば、もっと最先端のビートを効かしたボ・ディドリーのパンク編って感じかな。「Rudie Can't Fail」はねぇ、凄く良いクラブダブサウンド。ジョーのソロでもやってたけどじわじわと染みてくる名曲。…とまぁ、そんな感じに続くのでビートの効いたものはたまにスパイス混じりに、あとは妙なビート感とダブ感でロック界にこういうのを持ち込んだと言う意味での傑作かな。

The Clash - Sandinista!

サンディニスタ!  単細胞で血気盛んなパンクを気取る若者達にレゲエやダブミュージックという音楽手法を用いて激しいだけがパンク=反抗ロックじゃないんだということを徹底的に教育してしまったザ・クラッシュの功績はあまりにも偉大だ。1976年から77年にかけてのパンクムーヴメントの中でいち早く音楽的な成長を遂げ、且つ従来からのパンクスの支持を失うことなく上記のような教育を施してしまったワケだから彼等は世界を変えたと云っても過言ではないはず。現代に於けるパンクスの定義の中にはしっかりとスカ・パンクやらダブ・パンクなんてのが入り込んでいて、レゲエとパンクの出会いは当たり前のように行われている。どれもこれもザ・クラッシュの偉大な功績。

 自分がザ・クラッシュを聴き始めてからもう20年近く経つが、彼等がやってることの意味が分かるのに15年はかかってると思う。言い方を変えると「London Calling」や「Sandinista!」という作品を理解するのに15年はかかったと云うことだね。もちろん初期衝動に通じる曲は最初から好きだったけどアルバム全部が好きかと問われればそうではなかった。やっぱりファーストやセカンドの方が好きだったし。今回取り上げたアルバム「Sandinista!」に至っては何でこんなつまらない冗長な曲ばかりたくさん入ってるんだろう?それで3枚組のレコードなんて面白くもなんともないぜ、ってな調子だったし。ホント15年かけてコトある毎に「London Calling」や「Sandinista!」を聴き直して聴き直してようやくなんとか彼等がやっていた音楽を好きになることが出来てきた。たかがイギリスの労働階級の若者が勢いに任せて作ったバンドのたった4〜5年の変化についていくのにこっちは15年だ。何てこった(笑)。そんなに振り回さなくたっていいじゃないか、ジョーと云いたくなるよな、全く(笑)。

 冗談はさておき、見事にパンク的ロックンロールとレゲエ、ダブに感化されまくった曲が多数同居した作品となった「Sandinista!」はCDになってからようやく聴きやすくなってきたって云う感じ。ロック的な曲を一枚にまとめて、その他を一枚にまとめて聴いてみると全く別のバンドのように聞こえてくるくらいだから面白い。そしてそうやって聴いた時、そのどちらもがかなりのクォリティで作られた作品と云うことに気付くだろう。もちろん冗談みたいに作った曲もあるので、それがハイクォリティとは云わないけど(笑)、それでも並べ直して聴くと納得感あるよ。…とは云え後半はそのままに近いけどね♪ミックスで携わっているジャマイカンプロデューサー業のマイキー・ドレッドによる影響は大きいし、でもそれが当時のクラッシュを面白い方向に導いているし、今考えれば正解だったよな、って思える。90年代後半になってからのジョーの作る曲を聴いていてもダブサウンドが中心になっているので、彼にとってのライフミュージックの基盤を築き上げた時期なんじゃないかな。そういうのを知ってようやく理解できた憎たらしい作品♪何てったってその後のジョーのメスカレロスってバンドの要でもあるタイモン・ドッグがこのアルバムで既に曲の提供及びボーカルまでやってるワケだからそりゃルーツにもなるわな。

 しかし…、やっぱ不器用なバンドだよな、ザ・クラッシュってのはさ。そう思うよ。でもかっこいい、それがロック。いいね。

The Clash - Combat Rock

Combat Rock U2の世界観って元々はパンクの思想から出てきたようで、ロンドンパンクには相当影響を受けたようなことを初期のインタビューなどでは言っている。確かに音楽スタイルとしては独特のものなんだけど、メッセージ性の強さなどはポップスの領域ではないし、アメリカに代表される歌詞の風潮とは大きく異なるワケで、それもそうか、一番近いのはパンクのスタイルだわな、と。なんとなくの流れでアイリッシュ系に進んで行ったんだけど、こないだ車で音楽聴いててさ、もちろんロックの比率が圧倒的で、適当〜に入れているんだけど、ランダムで音を流すんですよ。んで、何だっけ、これ?ってのが好きでさ(笑)。そんな風に聴いている時にThe Clashの「Straight To Hell」が流れて…、もちろんあのベースから始まる曲なんだけど、これってさ、U2の「With or Without You」のイントロに影響与えてる?もしかして逆?とか一瞬考えてしまった。そんなことでThe Clashの「Straight To Hell」を収録している作品「Combat Rock」です。

 1982年にリリースされた、まともなThe Clashというバンドとしては最後の作品「Combat Rock」。そして皮肉なことに崩壊寸前のバンドを救ったのはシングルカットされた「Should I Stay or Should I Go」と「Rock The Casbah」の二曲のシングルヒット曲。アメリカ制覇だもんな…、こんな曲で制覇できちゃうんだからそれまでのThe Clashが訴え続けていたサウンドって一体何だったんだ?となったんじゃない?

 さて、そんなヒット曲はともかくながら「Straight To Hell」だが…、「Combat Rock」の中に入っているものの多分唯一の過去のThe Clashと近しい楽曲作りとアレンジになっているシンプルなアジテーションが聴かれる楽曲で、アルバム「Combat Rock」を聴いた時の違和感が伴わない曲だ。「Combat Rock」収録曲ってのはどれもこれも時代の反映なのか軽さの象徴なのか、重さとは無縁のアレンジやミックスが聴こえてきてしまってThe Clash大好きな自分でもあまり好まない音なのは確か。曲がどうの、ってのもあるけどヘンな音に仕上がっているってのが一番アカンわ。ま、それでも「Rock The Casbah」とかさ、やたらと流れていたり聴いていたりするので好きになってしまったんだけど(笑)。いや、ここまでバカにしながらやってるならまぁいいか、って思えるから。真面目にロックしてたらこんなの許せない領域だもん。多分相当ふざけていい加減に適当にバカにしながらやってたんじゃないかなと。

 そんな中での「Straight To Hell」の重さと言うのか深み…、はもちろんライブアルバム「From Here to Eternity: Live」なんかで聴ける音の方が真実なんだが、余計な贅肉を削ぎ落したサウンドは見事にThe Clashなのだ。「Combat Rock」に収録のスタジオバージョンはちと余計な音が入ってるからアカンけどさ。この後ミック・ジョーンズと他のメンバーが衝突するハズだわな…と思う。でも、ジョー・ストラマーもポール・シムノンもミクの主張する音以外に自分たちの音ってのがあったのかな…。そう考えるとThe Clashの「Combat Rock」ってのはひとつの方向としてやむを得ないものだったかも、と納得できる面はある。以後のミック・ジョーンズが打ち出したB.A.Dとか聴いていると余計にそう思うよね。しかもそれは全然パンクとは関係のない世界でヒットしていったワケだし。

 それにしてもThe Clashの「Combat Rock」。タイトルはやたらとかっこよいし、すごく期待をしたアルバムだったんだけどね。でもこの時期のライブは全然変わっていなくてカッコ良いので、アルバムだけの音としてはよく出来ていると褒め讃えたい。ちょっとだけでも休息を入れればここで衝突解散しなくてもよかったかもしれないのにな。

The Clash - Super Black Market Clash

Super Black Market Clash  The Clash「Super Black Market Clash」というシングルB面収録曲を集めた編集盤、元々は「Super Black Market Clash」としてリリースされてたけど、CD時代になってから「Black Market Clash」としてグレードアップ。としても結局今じゃ各種BOXセットにお株を奪われてしまっているのでお役目終了的存在感にはなりつつある気がするが。「1977」とか「City of the Dead」とかソリッドな曲はコイツでしか聴けなかったから重宝した、ってかそんなことを大して知らない頃からアルバムとして普通に聴いてたんでオリジナルアルバムと同等に並んでいたものだ。そういうのってない?編集盤だって後追い世代には重要なアルバムなんだ。それ言ったら今の時代ってどういう事になるんだ?なんて疑問も出てくるが、それはさておき…(笑)。

 「Super Black Market Clash」ってよく出来てて、クラッシュがリリースしたシングルなどのアルバム未収録曲を時代順に並べてくれているからたった5年間くらいの歴史だけどこんなに音が変わっていくのか?ってくらいに実験的な曲も多いし次からの作品の方向性になるっていう曲も多い。もちろん「Pressure Drop」なんてカバーも入ってるし後期のダンス・ナンバーらしき曲もいくつかある。今となってはクラッシュというバンドは云々って知られているし、決してタダのパンクバンドじゃなかったってのも知られているけど、昔聴いた時は何か後半に進むに連れて好みじゃなくなってきたな〜って聴いてた。今は好意的に聴けるけどさ。そんなクラッシュの編集盤ながらも重要な位置付けだった「Super Black Market Clash」、ジャケットかっこ良いし好きですね。

The Clash - Cut the Crap

Cut the Crap  もう30年くらい聴いてる事になるThe Clashというバンドと自分の付き合い。これまでも割と事あるごとに聴いていたりするんで途中途切れてたりってのがない。Zeppelinもそうだけど割と人生的にいつもどこかで聴いているって感じのバンドのひとつだ。たかがアルバム5枚位しか出してないのとそれも自分では好みがあるから全部聴き尽くしてないトコもあるんだけどね、そっか〜と改めて思ってしまった。んで、そんだけ付き合ってるのにほぼまるで聴くことのないアルバムが一枚残っている。そう、言わずと知れた「Cut the Crap」だ。1985年にリリースされた世紀の問題作として悪名高い作品ですな。

 まぁ、結論的にはジョー・ストラマー自身がこの時代を黙殺してしまい、この世を去ってしまったのでそれが答えでしかなく、ああだこうだと良い所も云々とか言っても虚しいだけなんでねぇ…。いや、U2が新作「Songs of Innocence」で何とかっつう曲をThe Clashに捧げたってのがあってさ、そっか、そんくらいには彼らのBGMにThe Clashがあったのかと思ってさ。んで、またThe Clash聴いてたんだけどふと自分のブログに何書いてないんだっけ?って思ったらやっぱりコレしか残ってなかったんで、しょうがねぇな、ってことで聴いてみるか、ってなトコで聴いてるワケ。

 効果音とかチープなシンセとかドラムマシーンみたいな音とか邪魔臭いエコーとか色々と悪名高き要素は揃ってるんだけど、曲の骨格とジョー・ストラマーの歌は勿論何も変わっていなくて凄くストレートな初期パンクロックそのものじゃないか、と思った。なるほどね、そっか、メチャクチャな状態のバンドだったけど新メンバー補充して心機一転ガラリと変わったように仕掛けるぞ、ってのはあったけど出てくる楽曲自体はジョー・ストラマーそのものでしかないし、歌い方もスタイルもそのまま、やっぱ変わらなかったってことがわかった。それがわかったら効果音や装飾音、エフェクトなど全部無視して耳に入ってくるように出来るようになった…って、そんなワケないけど、無視して聴いている。すると、その裸の歌が聞こえてきてね、装飾音すべてが虚しい叫びに聞こえてきた。

 ここで書いてもしょうがないけどこの頃のライブ音源…ライブっても英国中をバンドで回ってどっかのパブとか野外の空き地程度のとこでゲリラライブやってたんだよ、彼ら。電気無いから全員アコースティック楽器持ってやってるワケ。そうするとこのムダな装飾音とか一切なくって裸のままの音でのライブになるんだよ。このアルバムからの曲も勿論やってるんだけど、楽曲の本質が出て来てて昔のクラッシュみたいに聴ける。ミック・ジョーンズがいないからややトーンが違うけど、でもやっぱジョー・ストラマー兄貴が引っ張っててさ、実は相当盛り上がる。だから誰が決断できるか分からないけど、「Cut the Crap」ってアルバムのムダな音を全部取っ払ったバンドの音的なりミックス作品と、ライブ音源はいっぱい残ってるんだからまとめ上げた2CD盤をリリースしてもらいたいんだよ。オリジナルの「Cut the Crap」は要らんからネイキッド+ボーナスライブ盤で是非。映像もあれば最高♪  それでこそThe Clashの…と言うかジョー・ストラマーの魂ってのはきちんとこの世に残されるんじゃないだろうか。ふとそんなことを考えてしまったんだよね…。結局ライブ音源の方聴いてるんでした♪

The Clash - Live From Here To Eternity

ライヴ・クラッシュ  The Clash。ネーミングが最高にかっこいい。数あるパンクバンドの中で本質的なパンクをもっとも表現していたのはクラッシュだけじゃないかなと思ってます。ピストルズはスキャンダルと破壊的なスタイルがパンクの姿勢と見せていた面はあるけど、中味が薄かったし、その他大勢はそれの模倣でしかなかったしね。でもクラッシュには意志があった。政治的側面かもしれないけど、凄いポリシーを持った歌詞が多くていわゆる「破壊」というだけのパンクではなく、メッセージを持っていた。決してそれは押しつけではなく主張するものだったのでかっこよく見えるんだけどね。

 ジョーが他界する直前の11月22日にミック・ジョーンズと20年ぶりの共演を果たして3曲くらいクラッシュナンバーを披露していたし、その後すぐのイベントには初めてクラッシュを再結成してステージをする予定だったらしい。ジョーが生きていたらもしかしたら「ライブ8」にクラッシュとして出ていたかもしれないな。ピンク・フロイド並の期待度があったかも…。そんな夢も見れたんだけど、その代わりにジョーとまだ生きているウチにしっかりとクラッシュの集大成的ライブアルバムがリリースされていたので嬉しいね。

 「Live From Here To Eternity」という77年から82年までのクラッシュのライブを一つのショウのように編集したスリリングなアルバムで、驚くのは曲感が全て繋がれた完パケのライブアルバムのような音作りがされている点かな。それでもね、ニヤリって思えるのは真ん中の「I Fought The Law」で一旦フェイドアウトするってトコロ。だから二つのショウが収録されているみたいに作られているのかな。アナログ用に作られたとは思えないので多分狙ってるハズ(笑)。

 いやぁ、それにしても熱い!初期のクラッシュのライブなんてとんでもなく下手くそのハズなのでココに収録されたものも多くはないけど、それでも初期は熱い!で、そのまま聴いていくとあっという間にアルバムを聴き終えてしまうんだけど、時代が変わったことに気付かないんだなぁこれが。「Magnificent seven」とか82年くらいのライブのハズなのにすげぇ熱いんだよね。だから後期クラッシュも結構良いライブやってたんだよ。アルバム的にはちょっと勢いを無くした感じもあって、「サンディニスタ」とか「コンバット・ロック」ってのはハマりこめば面白いけど勢いって面ではちょっとね、ってアルバムだからさ。でもやっぱり格好良かった。だからこのライブアルバム聴いた時は感動したもん。色々な編集盤でちょこっとライブが付いていたりDVDで発掘されたりしてるけど、こいつは本当のパンクロックです。同時期にリリースされたDVDもよく見てますが、マネージメント側に作られたバンドではなく自分たちが作っていったクラッシュというイメージを徹底していたってのはやっぱり強力にアピールされるよね。

The Clash - Live At Shea Stadium

ライヴ・アット・シェイ・スタジアム(初回生産限定盤)  相も変わらず70年代のバンドの発掘作品やリマスター作品が市場を賑わせている。結局メディアを買って聴く、というスタイルに慣れきっている世代にしかCDってのは売れないのかもしれない。新しい世代ではもうダウンロードでファイルを落とす、という概念が優先で、FMラジオから録音する、というような概念はないと思うし、自分も実際にそういう概念から切り離されつつある。気になったらダウンロード、みたいな感じだしね。それでもどこかでコレクター的精神が働くのでブツとしては所有したくなるモノも当然多いのだが…。今回のザ・クラッシュのライブアルバム「ライヴ・アット・シェイ・スタジアム」はそういう概念を無視して、さっさと見つけて聴いてみたいと思って入手した一枚。ここ最近ではそういう買い方ができるのはそう多くはない。

 1982年10月13日のニューヨークシェアスタジアムに於けるライブ盤「ライヴ・アット・シェイ・スタジアム」。当時ザ・フーがフェアウェルツアーと題してアメリカを回っていた時のツアーサポートとしてクラッシュが招集されて前座としてクラッシュとしても初めてとなるスタジアムクラスでのライブツアーとなったので話題は大きかったらしい。ちなみに10月13日っつうのはザ・フーの解散ライブ最終日。なワケでこの日の演奏が持ち出されたんだろうと思う。ただ、パンク発祥時代から追いかけていたファンからしてみるとクラッシュがビートルズアメリカ侵攻の証となったニューヨークシェアスタジアムでライブをするってのはどうにも解せない部分があったんじゃないかな。ザ・フーに対してはパンクファンも名にも言わなかったが、ビートルズを引き合いにだされると嫌悪感出るもんね。しかもこのライブってファンの大半がザ・フーのファンってワケだから決して会場と一体となったライブという図式ではないハズなんだよね。ま、今となっては単なる記念ってことで良いんだろうけど、ライブ盤としてリリースするならもっと良いソースいっぱいあるだろうに、というのはマニア的見地の穿った見方か。

 んなことで、このライブアルバム、全編を収録しているんだけど40分程度という短いもので非常〜に聴きやすい。最初の印象では序盤、ちょっと調子よろしくないのかな、なんて感じで中盤以降はいつもの調子を取り戻して白熱したライブになってきたって思ったけど、何度となく聴いているとそれは多分ドラムがテリーに変わっているから感じられたグルーブ感の欠落が要因かと。いや、悪くないんだけど、やっぱりシャープさとかキレ具合ってのがトッパーとは違うんだよね。ポール・シムノンとのグルーブが違うんだと思う。まぁ、このテリーもこの後はジョニー・サンダースのバックでドラム叩いたり、ハノイ・ロックスのアンディ・マッコイとチェリー・ボムを組むので決して悪いドラマーではないんだろうとは思うが、やっぱトッパーのシャープなセンスがよく似合っていたんだってのを実感。

 曲はもう往年のヒット曲満載で、アメリカ人なら大喜びってセット。最初期の悲愴なパンク的ソングは少ないのが個人的には物足りないけど、スタジアムでのライブだからねぇ、パフォーマンス性の方が重要にはなるか。そういう言い方で書けば、相当気合いの入ったかっこよいライブで、ジョー、ミック、ポールの歌が聴けるし、それぞれの出来映えも素晴らしい。これからクラッシュのアイテムはこうやって発掘アーカイヴばかりがリリースされるんだろうな。嬉しいっちゃぁ嬉しいけど、どこまでちゃんと聴けるかなぁ…。

The Clash - Rude Boy

ルード・ボーイ [DVD]  2002年12月22日、ジョー・ストラマー没。それから10年、自分のジョー・ストラマー及びThe Clashに対する愛情は何ら変わること無く通常のライブラリにあるロックとして聴くことが多い。もちろん新作が聴けない、とか生身の声が聴けない、なんてのはあるのだろうが、そもそも80年代からそんなのあんまり聞いてないし、The Clashのバックカタログと編集盤などで存分に楽しんでいたのだから正直言って、アーティスト本人が存命か否かってのあまり問題ではない。そういう意味で再結成劇もそりゃ血が騒ぐけど、そんなにスゲェってこともないワケだからなきゃないで構わない、ってのが本音。複雑な愛情だよな、その辺(笑)。

 The Clashの、と言うかThe Clash主演の映画「Rude Boy」、1980年制作公開…、日本は1987年に公開されたらしいが、自分は映画館では見ていない。その後でビデオがリリースされて、それを入手して見てた。買うのはあまりにも高い時代だったんでレンタルビデオ屋を何件も探し回って置いてある所を見つけて借りた記憶がある。もちろんダビングして散々見てたんだけどね。昔のビデオってホント高かったなぁ…1万数千円とか普通にしてたもん。買えないよ、そんなん。

 そんな経緯で結構な回数を見て時間を過ごした記憶のある「Rude Boy」という映画、映画だけどThe Clashのライブビデオとして見てたからストーリーを追っかけたのは数回くらいで大体早送りしてライブシーンだけを見まくってた。最初に書いておくと、一番好きなライブシーンは最後の方の「Complete Control」。もちろん「Stay Free」のアカペラになってるシーンも好きだけど、それ言ったらジョー・ストラマーがエルビスをピアノで歌うシーンも好きだ。この頃のThe Clashって最も絵になる時代だからファッションにしてもポリシーにしてもとにかくクールでカッコ良くて、ギター一本にしてもきちんと個性を示すようにアレンジしてるし、パンク=汚いってのはまるで当てはまらないオシャレさだ。そしてシンプルでストレートなロック、メッセージ、ソリッドなビート…、カッコ良いってのはこういうんだろう。

 今では幾つかのThe Clashのライブビデオなんかもリリースされていて全盛期のライブが疑似体験できるけど、昔はこの「Rude Boy 」くらいしか見れるのはなくて、重宝したもんだ。別に名作ってワケじゃないけど、貴重なライブシーンをじっくり見て自分たちのライブにも取り入れたりしてたなぁ…。